俳優の中村蒼(あおい)さん(19)が、故・深作欣二さんの息子、深作健太さんが演出する舞台「カレーライフ」で約5年ぶりに主演することが17日、分かった。専門学校を卒業後、祖父の洋食屋を継ぐことになった主人公・ケンスケを演じる中村さんは「5年前に僕が演じた舞台を見てくださった方が今回の舞台を見て『中村蒼、成長したな』とか『すごく良くなったな』と思っていただけるように頑張ります」と意気込んでいる。
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「カレーライフ」は竹内真さんの小説が原作で、「じいちゃんのカレー」を作ろうと5人のいとこたちが世界各地をめぐってカレーのおいしさを追求し、カレーに人生の目標を見いだしていく中で人として成長する青春群像劇。舞台は、大人になったらカレー店を営む約束をしたケンスケと、そのいとこのサトル、ワタル、ヒカリ、コジロウがさまざまなトラブルや苦難を乗り越え、カレー店の開業にこぎ着け、いよいよ「じいちゃんのカレー」を誕生させる……という物語。
中村さんは05年の「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを獲得し、06年の主演舞台「田園に死す」で俳優デビューした。中村さんは当時を「とにかく自分のことで精いっぱいで周りを見る余裕は一切できませんでした」と振り返り、「いろんな作品に出させてもらって本当に少しですが自信はついたとは思います」とコメント。しかしオファーを受けた際は「うれしい気持ちもありましたが不安が大きかった」と心情を明かしている。
10年5月に舞台「罠」を演出して以来、2度目の舞台演出となる深作さんは「(父への)反抗期があり、その時いちばんやりたかったのが実は舞台。舞台演出はまだまだ2回目、気持ちは新人です。フレッシュな気持ちでこの舞台に挑みたい」と意欲を見せ、中村さんに「今最も輝いている旬な役者さん。彼が放っているエネルギーを僕自身ももらいたいし、そのエネルギーを舞台上でも放ってほしい」と期待を寄せた。作品については「見終わったらカレーライスが食べたくなるような、そんな舞台にしたい」とコメントしている。
11年5月14日~22日に「天王洲 銀河劇場」(東京都品川区)で上演、大阪公演も予定している。(毎日新聞デジタル)