注目映画紹介:「Pure~ピュア~」 人気ボーイズラブ小説が原作 恋の原点を伝える

「Pure~ピュア~」の1場面 (C)2010 ごとうしのぶ/角川書店・タクミくんシリーズPartners
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「Pure~ピュア~」の1場面 (C)2010 ごとうしのぶ/角川書店・タクミくんシリーズPartners

 ごとうしのぶさんの人気のボーイズラブ小説の映画化第4弾「タクミくんシリーズ Pure~ピュア~」が公開中だ。この分野に全く無知な自分が見てみたらどう感じるのか……という実験的な気分で映画を見た。結論からいうと……なかなか面白い。

 全寮制高校の入学試験の日、真行寺兼満(内藤大希さん)は試験監督の生徒・三洲新(馬場良馬さん)に一目ぼれをする。晴れて入学後、三洲と仲良くなるが、三洲は生徒会長で忙しくしており、真行寺は彼の周りをうろちょろするばかりでイマイチ仲が進展しない。それでも真行寺はけなげに三洲に思いを寄せ続けるが、ある日、相楽先輩(広瀬友祐さん)というライバルが現れる。一方で、同室の高林泉(三津谷亮さん)と吉沢道雄(小林豊さん)はお互いの気持ちがすれ違っている。吉沢は高林とギイこと崎義一(渡辺大輔さん)の仲を疑っているのだ。真行寺は葉山託生(浜尾京介さん)と七夕の飾りつけをしながら、願いごとの話をする。みんなの恋の行方は……。

 木目調でアンティークな内装の校舎に、白いシャツのまぶしい清潔感あふれるボーイズがやたら窓辺に立つ……。描かれる恋模様はけっこう古風で、さらに携帯電話など現代の通信機器がまったく出てこない。見ていくうちに、これは完全なファンタジーの世界なのだと気付く。だからこそ、独特の世界観でも観客をすんなりと物語の世界にいざなうのかもしれない。

 舞台やミュージカルで活躍している俳優が多く出演しているからか、演出なのかもしれないが、俳優は舞台のような発声でせりふを語る。さらに「好きにするがいい!」などの舞台っぽいせりふがときたま飛び出し、クスッと笑わせてくれる。19歳から20代後半までの幅広い年齢層が出ていながら、10代のピュアな雰囲気をかもし出しているのは驚きだ。彼らが恋に悩む姿、揺れる心を音楽や照明を含めて1シーンごとに丁寧に作り上げている。“人を愛することは、他人を束縛することであり、他人を傷つけること”。そんな恋の原点も伝わってきた。シアター・イメージフォーラム(東京都渋谷区)でレイトショーのほか全国で順次公開中。(キョーコ/毎日新聞デジタル)

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