09年9月に米国で放送が開始されると、10代はもちろん30代以降のアダルト世代からも支持された青春ドラマ「glee/グリー 踊る♪合唱部!?」のDVDが、日本でも1月から順次リリースされている。10年のゴールデングローブ賞で作品賞を受賞、エミー賞では20部門にノミネートされた人気番組。米国では「シーズン2」が放送中で、「シーズン3」の制作も決定している。
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舞台は、米オハイオ州の田舎町にあるマッキンリー高校。スペイン語教師が廃部寸前のグリークラブ(合唱部)の再建に乗り出す。ところが集まったのは、歌唱力は抜群だが自意識過剰で嫌われ者の女の子や、いじめられっ子といったさえない生徒ばかり。前途多難ながらも大会出場へ向けての練習が始まる。
グリークラブとは、つまりは合唱部だが、ただしそこにはダンスが加わる。部員たちは、歌って踊ってその芸術性を競い合う。今作の人気の理由の一つに挙げられるのは選曲のセンスの良さだ。レディー・ガガさんに代表される旬のアーティストの楽曲に加え、ジャーニーの「Don't Stop Believin'」やオリビア・ニュートン・ジョンさんの「Physical」など80年代のヒット曲が、若々しい歌声と今風の振り付けとともに堪能できる。
肝心のドラマ性は、確かに「The OC」や「ゴシップガール」ほどシリアスではなく、スキャンダラス性にも欠けるが、グリー(合唱)を通じて人間的に成長していく生徒と大人たちの姿や、グリークラブの予算を横取りしようとクラブをつぶしにかかるチアリーディング部の女コーチの隠れた素顔が見られる第9話や、ろう学校のグリークラブが登場する第11話のようにグッと考えさせられるエピソードも用意している。
生徒を演じる俳優たちは、周囲から「ルーザー(負け犬)」とか、「キモい」とからかわれているだけあって、目立つような二枚目でも美人でもない。そんな彼らが困難を切り抜けていくたびにひと皮むけて成長し、輝きを増していく。その様子を見られるのも、また楽しみの一つだ。
本来グリー(glee)には、「自分を解放し、歓喜すること」という意味があるというが、タイトル通り、新年の景気づけにもってこいの作品だろう。「glee/グリー 踊る♪合唱部!?」ファーストシーズンは1月7日発売でVol.1 (第1~4話収録)は1490円。DVDコレクターズBOX(第5~22話、本編9枚+特典1枚)は2月4日発売で1万5120円。レンタルも7日から順次リリース。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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