芥川賞・直木賞:ともにダブル受賞は7年ぶり

(左から)道尾秀介さん、木内昇さん、西村賢太さん、朝吹真理子さん
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(左から)道尾秀介さん、木内昇さん、西村賢太さん、朝吹真理子さん

 第144回芥川龍之介賞(以下芥川賞)・直木三十五賞(以下直木賞)の発表が17日、東京都内であり、直木賞は木内昇さんの「漂砂のうたう」と道尾秀介さんの「月と蟹」の2作が受賞した。同日発表の芥川賞は朝吹真理子さんの「きことわ」と西村賢太さんの「苦役列車」が受賞。芥川賞、直木賞ともにダブル受賞となったのは、芥川賞に金原ひとみさん「蛇にピアス」と綿矢りささん「蹴りたい背中」、直木賞に江國香織さん「号泣する準備はできていた」と京極夏彦さん「後巷説百物語」が受賞した03年後期の第130回以来、7年ぶり。

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 「漂砂のうたう」が初候補で受賞の木内さんは67年生まれ。東京都出身。出版社勤務、フリー編集者を経て、04年「新選組 幕末の青嵐」でデビューした。

 「月と蟹」の道尾さんは75年生まれ。東京都出身。04年に「背の眼」で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞して小説家に。「シャドウ」で第7回本格ミステリ大賞、「カラスの親指」で第62回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)、「龍神の雨」で第12回大藪春彦賞、「光媒の花」で第23回山本周五郎賞を受賞。「カラスの親指」「鬼の跫音」「球体の蛇」「光媒の花」で直木賞候補となり、今作が5回目の候補作。

 「きことわ」は「新潮」9月号に掲載された。初候補で受賞の朝吹さんは84年、東京都生まれ。慶應義塾大学前期博士課程に在籍。デビュー作「流跡」で「第20回Bunkamuraドゥマゴ文学賞」を受賞した。

 「苦役列車」は新潮12月号に掲載された。西村さんは67年、東京都生まれ。現在までフリーター等で生計を立てる。「暗渠の宿」で第29回野間文芸新人賞受賞。「どうで死ぬ身の一踊り」「小銭をかぞえる」で芥川賞候補となり、今回が3度目の候補作。(毎日新聞デジタル)

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