芥川賞:「苦役列車」で受賞の西村賢太さん 「屈辱的なこととかでないと書く意味がない」

芥川賞を受賞した西村賢太さん
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芥川賞を受賞した西村賢太さん

 第144回芥川龍之介賞(以下芥川賞)・直木三十五賞(以下直木賞)の発表が17日、東京都内で開かれた。3度目の候補作「苦役列車」で芥川賞を受賞した西村賢太さんのおもな一問一答は以下の通り。(毎日新聞デジタル)

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 −−受賞の感想を。

 大変うれしいです。それだけです。

 −−どこで知らせを受けた?

 自宅で。

 −−事前に万に一つも可能性はないと言っていたが。

 聞き直しました。なんと言ったか分からなくて。驚きました。

 −−内容はどれぐらいまで真実なのか。

 起こった出来事は9割以上本当。

 −−私小説以外は書かない?

 私小説しか興味がない。自然にそれ以外に興味が向かない。ずっとそれに救われてきたので、自分で書くとなったらその形式しか書けない。

 −−西村さんの小説を読んで読者は何を感じるか。

 何にもないと思いますけど。ちょっとでも救われた気分になってくれたらうれしい。それでなんとか社会に僕もかろうじて首の皮でつながっていると思う。

 −−ダメじゃないから芥川賞をとったんですよね。

 華やかな舞台は書けないです。屈辱的なこととかでないと書く意味がないと思う。

 −−これで仕事が来るようになるのでは?

 それはないと思います。あちこちから干されてますから。8月号の新潮に載る予定が意固地になって(担当の編集者に)ゲラを持たせないというふざけたことをして、1カ月遅れて載せていただいた。

 −−今後書きたい作品は?

 自分のことしか書けないんですよ、僕は。そういう小説を書くのが好きだし、需要がなくなってもやってると思います。

 −−ユーモアがあると選評にありましたが。

 誰とも話さないんです。友だちもいなくて。普段話さない分(ユーモアが)こもるんじゃないでしょうか。

 −−誰かに報告は?

 いや、誰にも。

 −−より若いときのこともこれから書く?

 父親が生きていて、こいつが死ねば、僕の生い立ちも書けるんですが。いつかは書かなければいけないと思う。(父とは)和解していないです。それは今後の成り行きです。

 −−1日の過ごし方は。

 昼過ぎに起きて、お金があればサウナに行って、夕方に小説を書くときもあって。あとは一杯やって、お金があればちょろちょろと行って。無為無策。

 −−趣味は?

 かろうじて小説を読むぐらい。私小説ですが。同じものをずっと読み返しています。

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