成海璃子:サティの足跡をたどる旅を20日に放送 「どう生きてきたかが音楽に表れる」 BS朝日

BS朝日「癒しのメロディ エリック・サティの世界」でフランスを訪れた成海璃子さん
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BS朝日「癒しのメロディ エリック・サティの世界」でフランスを訪れた成海璃子さん

 女優の成海璃子さん(18)が昨年の夏にフランスを訪れ、「癒やしの音楽」で知られる19世紀末から20世紀初頭に活躍した天才作曲家、エリック・アルフレッド・レスリ・サティ(1866−1925)の足跡をたどる旅をした様子をまとめた音楽紀行番組「癒しのメロディ エリック・サティの世界」が、BS朝日開局10周年記念番組として20日に放送される。昨年夏に番組収録のためフランスに飛んだ成海さんに話を聞いた。

ウナギノボリ

 サティの代表作といえば、最近ではCMや携帯電話の着メロでよく耳にする「ジムノペディ」。この曲は約120年前に作曲された。成海さんはサティについて「ほとんど何も情報を持たずにフランスに行きました」といい、サティが13歳で入学した音楽学校「コンセルバトワール」があるパリを訪れ、学校を中退し、シャンソン酒場でピアニストとして働き始めたころの街並みや20代前半にモンマルトルで1人暮らしをしていたアパートなどを訪ね歩いた。

 サティが見ただろう風景を想像しながら、パリを舞台にした映画「アメリ」の主人公も食べたというスイーツ「クレム・ブリュレ」を食べたり、生肉料理なども口にしたという成海さん。高校生活最後の夏休みにフランスを訪れることができ、「パリは美術館や博物館がたくさんあり、本当に飽きない街です。高校最後の夏にパリを旅することができてとても良い経験になりました。私も小さいころ、ピアノを習っていましたが、久しぶりにピアノが弾きたくなりました」と話している。

 また、成海さんは、1889年に開催された「パリ万博」で、サティが日本館に展示された浮世絵や漆、陶器などの工芸品やそこで紹介された日本の古い民謡など日本の文化「ジャポニズム」に触れて大きな影響を受けたことを知り、オルセー美術館を訪れた。番組では、若きサティや印象派の芸術家たちに与えた「ジャポニズム」について探り、なぜサティの曲が日本人に好まれるのか、その理由も解明していく。成海さんは、パリのサンジェルマンやカルチェラタンの街並みを歩き、マンガカフェや「原宿」という店名のゴスロリファッションのブティック、行列のできる「うどん屋」を見つけて、日本文化が現代でも広く受け入れられていることを知り、「意外だった……」という感想をもらしていた。

 人付き合いが苦手で生涯独身を貫くなど、素顔は「変わり者」として知られるサティだが、成海さんはゆかりの地を訪ね歩き、「(芸術家には)そういうところもありますよね。変わっているといわれるところも含めて、私から見たら普通に見えて、納得しました」といい、サティが生み出した音楽について「どういう風に生きてきたかというのが作品には全部表れているんだなと思いました。結婚して子供がいるわけではないので、この人は(生み出すものが)作品だったんだなって」と旅を振り返り、サティへの思いをかみしめていた。番組はBS朝日で20日午後9時~10時54分に放送予定。(毎日新聞デジタル)

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