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本屋大賞:東川篤哉さんの「謎解きはディナーのあとで」が受賞 ユーモアミステリーのベストセラー

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「2011年本屋大賞」を受賞した東川篤哉さん(左)と受賞作「謎解きはディナーのあとで」の表紙

 全国の書店員が「一番売りたい本」を選ぶ11年の「本屋大賞」が12日、発表され、東川篤哉さんの令嬢刑事とその執事のミステリー「謎解きはディナーのあとで」(小学館)が大賞に輝いた。東川さんは「大きな賞をいただきましてありがとうございました。(02年は入選だったので)こういった賞をいただく経験はありませんでした。デビューした年はユーモアミステリーの冬の時代で世間の風は冷たかった。今回、書店のみなさんが好意的に販売してくださったお陰で作者が思いもよらない大ヒットとなった。ユーモアミステリーへの注目度も上がったんじゃないかと自負しています」と胸を張り、「本格ミステリーであり、ユーモアミステリーであるこの作品で受賞できたのはなによりです」と喜びを語った。

 また同書のCMに登場している令嬢と執事からのビデオコメントも寄せられ、令嬢が「私が活躍したあの本が本屋大賞を受賞したとか」と言うと、執事が「お嬢様は1ミリも活躍されていないあの本のことでしょうか」などの丁々発止のやりとりが上映され、東川さんは「大変すばらしい」と喜んでいた。

 東川さんは68年広島県出身。02年、架空の地方都市・烏賊川市を舞台にしたミステリー「密室の鍵貸します」で光文社の新人賞「KAPPA-ONE登龍門」からデビュー。同作を含む烏賊川市シリーズ、架空の高校の探偵部を中心とした鯉ヶ窪学園探偵部シリーズなどがある。

 「謎解きはディナーのあとで」は、大企業の令嬢で新米警部の宝生麗子と有能だが毒舌な執事・影山の2人が難事件を解決していく推理小説。なかなか謎が解明できない麗子に影山がさらっと暴言をあびせるコミカルなやり取りと本格的な謎解きで人気を集めた。発売以来、半年で75万部を発行するベストセラーとなり、月刊少女マンガ誌「プチコミック」でマンガ化されている。

 本屋大賞は、「売り場からベストセラーを作る」をテーマに創設され、今回が8回目。「ゴールデンスランバー」(伊坂幸太郎さん、08年)や「告白」(湊かなえさん、09年)などが受賞し、多くのベストセラーを生み出した。09年までの大賞受賞作6作品はすべてドラマ化か映画化され、ヒットした。前回の大賞受賞作で冲方丁(うぶかた・とう)さんの「天地明察」は直木賞候補になり、マンガ化も決定している。

 今回は09年12月1日~10年11月30日に刊行された日本の小説から、全国362書店458人の投票でノミネート作品10作を選出した。大賞を選ぶ2次投票はノミネート作品をすべて読んだ351書店の439人が投票した。

 授賞式には東日本大震災で被災した書店へ向け、湊さん、伊坂さんら過去の大賞受賞者から見舞いのメッセージが寄せられ、司会者が読み上げた。また昨年「天地明察」で本屋大賞を受賞した冲方さんも駆けつけ「10年は本屋大賞と共にあった1年だった。(受賞で)もみくちゃにされる役をお渡しして祝福したい」と述べた。(毎日新聞デジタル)

◇最終順位(敬称略)

 1位「謎解きはディナーのあとで」東川篤哉(小学館)▽2位「ふがいない僕は空を見た」窪美澄(新潮社)▽3位「ペンギン・ハイウェイ」森見登美彦(角川書店)▽4位「錨を上げよ」百田尚樹(講談社)▽5位「シューマンの指」奥泉光(講談社)▽6位「叫びと祈り」梓崎優(東京創元社)▽7位「悪の教典」貴志祐介(文藝春秋)▽8位「神様のカルテ2」夏川草介(小学館)▽9位「キケン」有川浩(新潮社)▽10位「ストーリー・セラー」有川浩(新潮社) 

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