映画「八日目の蝉」(成島出監督)の初日舞台あいさつ29日、丸の内ピカデリー(東京都千代田区)で行われ、主演の井上真央さんが蝉(せみ)柄のワンピースで登場した。共演した小池栄子さんが「井上さんがいなかったらやり切れなかった、戦友のような存在です」とコメントしたことを受けて、井上さんは「(小池さんは)つらいときも黙ってそこにいてくれた存在。一緒に仕事ができて、学ぶこともあって本当によかった」と応え、同じ女優としてきずなを深めた様子だった。
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「八日目の蝉」は直木賞作家・角田光代さんの初の長編サスペンスが原作。10年にNHKでドラマ化されている。不実な男を愛し、母となることがかなわなかった希和子(永作博美さん)に誘拐され、4歳まで愛情いっぱいに育てられた恵理菜(井上さん)は、実の両親の元に戻っても普通の生活は望めず、心を閉ざしたまま成長した。大学生になったある日、恵理菜は妊娠したことに気づくのだが、その相手は家庭を持つ男だった。過去と向き合うため、かつて母と慕った希和子と暮らした小豆島に向かう。恵理菜がそこで知った衝撃の真実とは……というストーリー。小池さんは恵理菜を取材し、小豆島にも同行するルポライター役で出演している。
母の日が近いこともあり、東日本大震災の被災地、宮城県などから取り寄せたという約1000本のカーネーションが舞台に華を添えた。また、井上さんが演じる恵理菜の子供時代を演じた子役の渡邉このみちゃんがカーネーションを持って登場、出演者らに贈呈し会場からは「可愛い!」という声が上がった。舞台あいさつには、井上さん、小池さん、このみちゃんのほか永作さん、森口瑤子さん、成島監督が出席。主題歌は音楽活動を休止していた歌手の中島美嘉さんが活動再開後最初に発売する新曲「Dear」。29日から全国で公開されている。(毎日新聞デジタル)
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