ソニーの家庭用ゲーム機「プレイステーション3」のインターネットサービス「プレイステーションネットワーク」などへの不正アクセスが発覚し大量の個人情報が流出した恐れがある問題で、ソニーが1日、東京都内の本社で会見を開き、平井一夫副社長が「個人情報の漏洩(ろうえい)の可能性について、ユーザーの皆さまには多大な不安とご迷惑をおかけしていることを深くおわびします」と謝罪した上で管理強化策を発表した。サービスの再開にあたり、利用者にパスワードの変更を義務付ける。
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会見で不正アクセスの犯人は「高度な技術を持つ者」と示唆。平井副社長は、不正アクセスの1、2カ月前に、世界的ハッカー集団「アノニマス」とトラブルになり、ソニーのサーバーが攻撃を受けたり、経営陣の個人情報や家族の情報が公開されたことなどを明らかにしたが、「現時点で(アノニマスがPSNに不正アクセスをしたという)証拠はない」と話すにとどめた。
ソニーによると4月18~20日(日本時間)、PSNとコンテンツ配信サービス「キュリオシティ」の米カリフォルニア州サンディエゴ市内にあるデータセンターがサイバー攻撃を受けたという。サービスがつながりにくくなるなど不審な状況があったことから、21日にサービスを停止して詳細に調査したところ不正アクセスが判明した。流出したとみられる情報は、登録者の氏名、住所、Eメールアドレス、パスワードとIDなど。クレジットカード番号が見られた可能性について「完全には否定できない」としている一方で、現時点では「その形跡は見つかっていない」としている。
不正アクセスについては、米連邦捜査局(FBI)に捜査を依頼。不正アクセスはPSNの複数のサーバーのうち「アプリケーションサーバー」のセキュリティーの弱さを突かれ、「データベースサーバー」へのアクセス権を許したため可能となり、同社は「非常に巧妙な手口で、高度な技術者が関与している」と説明している。
対策として、外部調査会社による調査を行い、セキュリティーレベル強度を検証したうえでソフトウエアの監視機能と管理の強化、データ保護の暗号化レベルの強化などを実施したという。またサービスの再開にあたり、システムソフトウエアをバージョンアップし、利用者にパスワードの変更を義務付ける。また実質的な補償として、特定コンテンツの無料ダウンロード、定額サービスパッケージの無料加入(1カ月)などを実施する。
PSNは、ゲームソフトや体験版のダウンロード、チャット、映像配信が楽しめるサービスで、PSPやPCでも利用可能。06年のPS3発売と同時にサービスを開始した。「キュリオシティ」は、PSNのノウハウを用いたソニーの映像配信サービス。(毎日新聞デジタル)
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