04年に公開された「雲のむこう、約束の場所」で第59回毎日映画コンクールのアニメーション映画賞を受賞した新海誠監督の最新劇場版アニメ「星を追う子ども」が7日から公開されている。少年少女の冒険というファンタジーの王道を、緻密(ちみつ)で美しい風景の中に描き出す。新海監督にとって07年の劇場版アニメ「秒速5センチメートル」から4年ぶりの新作で、原作と脚本も担当した。
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アスナは母親と2人暮らし。父親の形見の鉱石ラジオを手に、山間の高台に一人でいるのがお気に入りだ。ある日、高台に向かう途中で、見たことのない巨大生物に襲われそうになったアスナは、見知らぬ少年に助けてもらった。少年はシュンと名乗り、アガルタという場所からやって来たという。仲良くなった2人だったが、シュンは姿を消してしまう。シュンにもう一度会いたいと思っているアスナの前に、シュンにそっくりな少年シンが現れる。そんなとき、地下世界について話す新任教師モリサキがやって来る。モリサキ先生は地下世界であるというアガルタを探していた……というストーリー。
素朴なタイトルから想像もつかないような、「生」をテーマにしたファンタジー超大作。深みのある世界観、せりふが素晴らしく、日本の神話を思わせるような「黄泉の国」や「地下世界」などを盛り込みながら冒険がつづられる。アスナは少年の面影を追って、一方、モリサキ先生は妻をよみがえらせるために伝説の地に旅に出るのだが、2人の不思議な距離感が楽しい。物語の中にしかいないような、けなげで勇敢でかわいい少女アスナに対して、妙にリアリティーのある人物モリサキ……。ファンタジーっぽくなくていい意味で力が抜ける。
ところで少女を主人公にしたファンタジーを作ろうとすると、絵や設定がアニメーションの巨匠M監督の作品にどこかしら似てしまうのは仕方のないことなのだろうか。それともこれは意識的(オマージュ?)なのだろうか。見る側としては、そこに賛否両論ありそうだ。7日からシネマサンシャイン池袋(東京都豊島区)ほか全国で公開。(キョーコ/毎日新聞デジタル)
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