堺雅人:「第一歩に」と被災地へエール 「ブッダ」舞台あいさつ

「手塚治虫のブッダ−赤い砂漠よ!美しく−」の舞台あいさつに登場した堺雅人さん
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「手塚治虫のブッダ−赤い砂漠よ!美しく−」の舞台あいさつに登場した堺雅人さん

 俳優の堺雅人さんが11日、劇場版アニメ「手塚治虫のブッダ−赤い砂漠よ!美しく−」(森下孝三監督)の舞台あいさつに登場し、「(宮城県の)名取や福島の皆さんにもごあいさつできることをうれしく思っている。いろいろな意味で第一歩というか、これからいろいろなことが始まる第一歩になる作品ではないかと思う」とあいさつした。舞台あいさつの模様は全国14劇場に中継され、ワーナー・マイカル・シネマズ名取エアリ(宮城県名取市)やワーナー・マイカル・シネマズ福島(福島市)にも中継された。

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 「ブッダ」は、手塚さんがマンガ誌「希望の友」「少年ワールド」「コミックトム」(潮出版社)で72~83年に連載したマンガ。説話に基づいたものではなく、ブッダ(釈迦=しゃか)の人間ドラマとして描き、エンターテインメント作品に仕上げた。マンガ界のアカデミー賞と呼ばれる米国のアイズナー賞最優秀国際作品部門を04、05年に連続受賞。手塚さんのキャリアで最長となる10年の歳月を費やしたライフワークで、国内で約2000万部を発行、英語、フランス語、ポルトガル語、韓国語、中国語、スペイン語、イタリア語で翻訳されている。

 アニメは全3部作で、第1部は、王国間の争いが絶えない2500年前のインドに、世界の王になると予言されたシャカ国の王子、ゴータマ・シッダールタが生まれる。思春期を迎えたシッダールタは、盗賊の少女ら身分の低い人々と心を通わせ、厳しい階級社会に疑問を抱くようになる。やがて強大なコーサラ国がシャカ国に攻め入り、激しい戦争が始まった。コーサラ国軍の指揮をとるのは、将軍の息子にして国一番の勇者チャプラだった。奴隷の生まれを隠し、将軍の命を助けてのし上がり、立身出世しようともがくチャプラと、人を救えるのなら高貴な身分を捨ててもいいと願うシッダールタ。二つの正反対の魂が戦場で交錯する……というストーリー。

 森下監督も登壇し「宗教的なイメージを持たれるかもしれないが、シッダールタというブッダを中心にして周りに生きていく人々を描いたつもりですので“命のドラマ”と銘打って監督しました。皆さんも映画を見たらブッダとの距離がかなり近く感じるのではと思います」と作品をアピールした。

 同映画は第1部だけで製作費10億円という大作で、堺さんがチャプラ、吉永小百合さんがナレーターとチャプラの母、シッダールタを吉岡秀隆さん、スッドーダナ王を能楽観世流二十六世家元の観世清和さん、マリッカ姫を黒谷友香さんという豪華声優陣が演じる。第1部の主題歌はロックバンド「X JAPAN」の「Scarlet Love Song」。5月28日から全国で公開予定。(毎日新聞デジタル)

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