ラノベ質問状:「神曲奏界ポリフォニカ クリムゾン」 ツンデレ精霊のかわいさがみどころ

7月に発売される榊一郎さん作、神奈月昇さんイラストの「神曲奏界ポリフォニカ ルックバック・クリムゾン」
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7月に発売される榊一郎さん作、神奈月昇さんイラストの「神曲奏界ポリフォニカ ルックバック・クリムゾン」

 話題のライトノベルの魅力を担当編集者が語る「ラノベ質問状」。今回は人と精霊が共存する世界を舞台に、気弱な楽士の主人公とツンデレ美少女の精霊の周辺で巻き起こる騒動を描いた「神曲奏界ポリフォニカ クリムゾン」シリーズ(榊一郎著、神奈月昇画)です。ソフトバンククリエイティブGA文庫編集部の北村州識さんに作品の魅力を聞きました。

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 −−この作品の魅力は?

 精霊が人間の良き隣人として生きている世界で、異なるもの同士の相克と理解をテーマに、ツンデレ精霊のコーティカルテと、そのパートナーのフォロンがさまざまな事件を通じて成長していく物語です。が、まあ一番の見どころといえば、やはりツンデレ精霊コーティカルテのかわいさでしょう。同じくフォロンを慕う金髪の後輩ペルセルテと毎度繰り広げられるフォロンの取り合いは、「お前は本当に伝説級の精霊なのか」と突っ込みたくなるようなおもしろいやりとりになっています。そうした笑える部分と同時にスケールの大きなドラマを展開して一気に読ませる、というのが榊先生のすごいところだと思います。

 −−作品が生まれたきっかけは?

 もともと「神曲奏界ポリフォニカ」は、ビジュアルアーツから出ているPC用のキネティックノベルで発表された作品でした。GA文庫の創設に先立ち、榊先生にお願いしてその作品のライトノベル版を執筆いただいた、というのがそもそもの始まりです。

 その後同じ設定を背景に、別の作家さんが別のキャラクターで作品を次々展開していくシェアードワールドを実現するなど、自分個人としても非常に思い入れの深いシリーズです。

 −−作家さんとイラストレーターさんはどんな方でしょうか?

 榊先生は、どうやって読者を楽しませるか、ということを常に考え続けている人ですね。プロットの立て方やネタの転がし方が柔軟かつ論理的で、レーベル創設時からのお付き合いですが、いつも自分が勉強させていただいているような感じです。ただその視線の先には必ず読者がいて、その意味では、作品に対しても読者に対しても常に真剣勝負。普段は物静かな方なんですが、作品に対する熱はすごいものがあります。絵師の神奈月さんも非常に物静かな方ですね。それがなぜあんなに色っぽくてかわいいキャラクターを描けるのか不思議でなりません。2人とも作品に向かうと何か別の人格が出てくるのかもしれないです。

 −−編集者として、この作品にかかわって興奮すること、逆に大変なことについてそれぞれ教えてください。

 とにかく原稿が上がってきてそれを読む瞬間というのが一番興奮します。編集というのは最初の読者になるわけですが、全ての読者のみなさんに先駆けて楽しませてもらっています。それはイラストに関しても同じで、ファイルを開く瞬間のワクワク感はたまらないですね。「をを、今回の胸のラインは!」とか「縦筋がっ!」とかそんなんばっかりですが。

 −−今後の展開、読者へ一言お願いします。

 7月15日には、およそ9カ月ぶりの最新刊「神曲奏界ポリフォニカ ルックバック・クリムゾン」が登場します。いよいよ動き出した「エンプティセット」。何を狙い、どんな事件を起こすのか。フォロンとコーティカルテ最大の事件になりそうな予感です。また、コミック版もWEBサイト「Yahoo!コミック」にて「カーディナル・クリムゾン」が連載中です。他にも「神曲奏界ポリフォニカ」は榊先生のクリムゾン、クリムゾンSシリーズにとどまらず、高殿円先生のホワイトシリーズや、大迫純一先生のブラックシリーズなど、同じ世界を共有したシェアードワールドという形態で各シリーズが刊行中。それぞれの色で楽しみ方も違いますので、ぜひ手にとって確かめてみてください。同一世界であるという特徴を生かし、他シリーズのキャラが登場したりといったサプライズもありますよ!

 ソフトバンク クリエイティブ GA文庫編集部 北村州識

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