夏ドラマ:“男装女子”が主役のドラマが3作品 気軽なファンタジーが人気

「花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011」で主演する前田敦子さん(中央)と三浦翔平さん(左)、中村蒼さん=フジテレビ提供
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「花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011」で主演する前田敦子さん(中央)と三浦翔平さん(左)、中村蒼さん=フジテレビ提供

 7月スタートの夏ドラマの初回放送が始まっている。今期の新ドラマは、女性が男装してイケメン集団の中に入り込む“男装女子”がヒロインのドラマが3作品並んだ。AKB48の前田敦子さんが主演するドラマ「花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011」や韓国ドラマのリメーク「美男(イケメン)ですね」、人気マンガをドラマ化する「桜蘭高校ホスト部」は、いずれも男装女子がイケメンの中で騒動を巻き起こす。それぞれのドラマの魅力となぜ今、“男装女子”なのかを探った。(毎日新聞デジタル)

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  「花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011」は、中条比紗也さんが「花とゆめ」(白泉社)で連載し、コミックス全23巻で1700万部を売り上げたマンガが原作。07年に堀北真希さん主演でドラマ化された。物語は、あこがれの走り高跳び選手・佐野に会うために、男装して全寮制男子校に転入した瑞稀が、正体を悟られずに学園生活を送るが、あるとき女性であることが発覚して……という学園ラブコメディー。瑞稀は佐野と同室で生活し、サッカー部員の中津を含め、3人は親友になるという展開で、前作では佐野役を小栗旬さん、中津役を生田斗真さんが演じた。今回は瑞稀を前田さんが演じるほか、佐野役で中村蒼さん、中津役で三浦翔平さんが出演する。フジテレビ系で10日から毎週日曜午後9時に放送。

 「美男ですね」は、09年に韓国で放送され、韓流スター、チャン・グンソクさんが出演したことでも話題を呼んだ韓国ドラマの日本版リメーク。双子の兄の代わりに、女性だということを隠しながら人気バンドに加入した主人公の恋の行方を描いたラブコメディーだ。NHK連続テレビ小説「てっぱん」でヒロインを務めた瀧本美織さんと、アイドルグループ「Kis−My−Ft2」の玉森裕太さんと藤ケ谷太輔さん、「Hey!Say!JUMP」の八乙女光さんがバンドのメンバーを演じる。グンソクさんが演じたリーダー役は玉森さんが担当する。TBS系で毎週金曜午後10時に放送。15日の初回は午後9時からの拡大版。

 「桜蘭高校ホスト部」は、葉鳥ビスコさんが「月刊少女マンガ誌「LaLa」(白泉社)で連載し、コミックス全18巻で1200万部を突破しているマンガが原作。名家の子息・令嬢が集まる「桜蘭高校」に一般庶民ながら特待生として入学した藤岡ハルヒは、超セレブの須王環が部長を務める「ホスト部」の800万円の花瓶を割り、借金返済のためホスト部に入部するという物語。男装してホスト部に入部する主人公のハルヒをドラマ初主演の川口春奈さん、部長の環を山本裕典さんが演じる。22日からTBS系で毎週金曜深夜0時20分に放送。

 なぜ今、“男装女子”が主人公のドラマが続くのだろうか。理由には東日本大震災とその後の原発事故などで社会不安が広がる中、現実離れしたファンタジー色の強い作品が好まれる傾向があることと、外出することの多い季節の放送でいつからでも気軽に見られるコメディーが多い夏ドラマの傾向が合致したからではないだろうか。40代の女性テレビウオッチャーは「“男装女子”の主人公に女性視聴者は永遠の夢である『イケメンに囲まれたい』という気持ちを投影できる」と分析。また売り出し中の若手俳優が数多く出演するため、「ドラマを見た女性たちの間で、『どの俳優がタイプ?』など、イケメンの品評会のような楽しみ方もできるのではないでしょうか」とコメントしている。男性の視聴者は主人公の男装ぶりに注目。女性の視聴者は主人公になったつもりでイケメン観賞を楽しんでみては?

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