岡見勇信:日本人初のUFCタイトルマッチに挑戦 強敵・シウバとの戦いに「すべてを懸ける」

日本人としては初のUFCタイトルマッチ挑戦する岡見勇信選手(c)NAOKI FUKUD
1 / 1
日本人としては初のUFCタイトルマッチ挑戦する岡見勇信選手(c)NAOKI FUKUD

 27日(日本時間28日)にブラジル・リオデジャネイロで開催される世界最高峰の金網格闘技「UFC134」(28日午前10時からWOWOWで生中継)のメーンイベントに日本人ファイターの岡見勇信選手が登場し、UFCミドル級“絶対王者”のアンデウソン・シウバ選手(ブラジル)とタイトルマッチを行う。日本人としては初のUFCタイトルマッチに挑戦する岡見選手は、長い手足で強力な打撃を繰り出すシウバ選手を相手にどんな戦いを見せるのか? 岡見選手に意気込みを聞いた。(毎日新聞デジタル)

ウナギノボリ

 −−いよいよアンデウソン・シウバ戦です。今回の試合は、岡見選手にとってどんな意味の試合になると思いますか。

 アンデウソンとは5年くらい前に戦って、苦い経験もしている。UFCに参戦してからの目標だったので、いろいろな意味も含めて最高の試合になると思っています。

 −−シウバ選手とは、5年前のハワイで行われた「Rumble on the Rock」(総合格闘技の大会)で一度対戦していますが、あのときの因縁は、まだ続いているのでしょうか。

 そうですね、自分の中では続いています。まだまだ弱かった自分を、もっともっと強くして、もう一度彼の前に立って勝負したいと思っていました。今回が決着戦だと思っています。

 −−ネイサン・マーコート選手(米)に勝ったとき、王座挑戦の時期が来たと思いましたか。

 勝った方がチャンピオンシップと言われていたので、実感はありました。マーコートは自分の中で偉大な選手なので、彼に勝つことができれば挑戦する資格があるだろうと。それに、これ以上、アンデウソンの前に戦う必要はないだろうとも感じていました。

 −−シウバ選手の印象を教えてください。

 彼は相手を飲み込む力やイマジネーションあふれる打撃が本当に素晴らしい。経験も素晴らしいですし、なかなか穴のない選手だと思います。

 −−何か特別にトレーニングや対策など何か考えていますか?

 試合までの期間が長かったので、いろいろなスパーリングパートナーを見つけて、トレーニングしました。アンデウソンの打撃スキルへの対策であったり、首相撲だったり、彼が考えていることだけに集中して練習していました。

 −−相手は、岡見選手対策をしてくると思いますか?

 彼は経験もありますし、ずっとチャンピオンを防衛しているので、何か特別に変えることはないと思います。でも当然、対戦相手の対策はしてくるでしょう。けれど、自分はあまり気にしていません。

 −−シウバ選手のストロングポイントは?

 打撃です。あの長いリーチから繰り出されるパンチ、ボクシングテクニック。あとムエタイのけり。それと、何をしてくるか分からないイマジネーション。そこが一番気を付けなければならないところです。あまり考えないようにしようかなと思っているのですが、そこが彼の一番のストロングポイントだと思います。

 −−それに対してどのように戦おうと考えていますか?

 つぶしにいくしかないと思っています。どんどん前に出てつぶしにいくイメージです。下がってしまったりしたら距離ができて、彼のストロングポイントが生きてしまうので、どんどんプレッシャーをかけてつぶしにいこうと考えています。

 −−では、シウバ選手のウイークポイントは?

 あんまりないです。寝技もできてグランドも素晴らしいですし、精神力もすごい。だから実力で勝つしかないと思っています。

 −−シウバ選手は岡見選手の何を警戒していると思いますか。

 誰もが気を付けるところでしょうが、テークダウン(立っている相手をグラウンドに倒すこと)されてサブミッション(相手の体を自分の体で固定してダメージを与える技)というのが一番怖いでしょう。でも、自分ではいろいろ作戦を考えていて、寝技しか狙わないのかといったらそういうわけでもない。総合力で仕留めたいと思います。

 −−相手に対する恐れや不安はありますか?

 恐怖もありますが、自分がやってきたことにも自信を持っていますので、しっかりとコンディションを整えて、彼の前に立ちたいと思います。恐怖は練習することで払拭できているので、まずは、練習を完璧に終わらせることに今は集中しています。

 −−タイトルマッチは、5ラウンド制です。経験がないと思うのですが、いかがですか?

 未経験なのでなんとも言えませんが、あまり意識しないでやりたいですね。セーブして勝てる相手ではないので、どんどんいかなければならない。先のことを考えて戦うことはできません。4ラウンド以降は自分を信じるだけだと思っています。

 −−シウバ選手が絶対有利といわれる中、向かっていく覚悟は?

 この試合がすべてだと思っているので、腕一本やろうがなんだろうがそれぐらいの意味がある試合だと思っています。自分の格闘技人生において、おそらく一番意味のある試合になるんじゃないでしょうか。難しいですが、本当にすべてを懸けなければならない試合だと思います。

 −−戦う場所がアンデウソン選手の地元ですが、挑んでいく気持ちは?

 ブラジル大会が決まったときに、多分アンデウソンとやると感じていました。そのへんの気持ちの整理は、試合が決まったときにできていました。アンデウソンとベルトを懸けて戦うなんて機会はもうないでしょうし、本当に最高の舞台で最高のチャンピオンと戦える、そう思っています。

 −−試合が近づくにつれて変わったものはありますか?

 思いは変わりません。今は、立てた作戦をしっかり遂行することを考えて戦うしかない。あとは気持ちを強く持って、チームクエストでもみんながアドバイスをくれているので、そういうものを無駄にしないように戦うことを心がけています。

 −−今大会のチケットが74分で売り切れたそうですね。

 ブラジルで久しぶりのUFCですし、たくさんのトップファイターも出場します。すごく盛り上がるのではないでしょうか。その中でやれるということは光栄でもありますし、やりがいがあります。

 −−注目度の高い大会で、いつもよりプレッシャーは感じますか?

 確かにいつもとは違いますよね。でも、乗り越えるべきものだと思っているので、いいプレッシャーを力に変えて試合にぶつけたいです。

 −−岡見選手にとって、「UFCチャンピオン」とはどんな意味を持っているのですか?

 これまで日本人チャンピオンがいないということと、コンタクトスポーツの中で、ミドル級という重量級でチャンピオンになるということは、日本のスポーツ界にとってもいい影響になると思います。もちろんUFCを日本の人たちに知ってもらうこともできるので、自分の役目はかなり重要だと思っています。

 −−最後に、今回の試合で注目してほしいところを教えてください。

 敵地ブラジルで、アンデウソンを倒す姿を見せたいです。僕がベルトを巻く姿を見てください!

 WOWOWでは、試合を前に「UFC史上初 日本人王者誕生か! ~岡見勇信 いざブラジルへ!~」を無料放送するほか、ウェブサイト「UFC134 岡見勇信特集」で、岡見選手の最新情報や総合格闘家の宇野薫選手らの応援メッセージを配信している。また、ウェブサイトでは、サイン入りTシャツが当たる勝敗予想クイズも実施中。

 ◇独占生中継!UFC−究極格闘技−UFC134 王者アンデウソンvs岡見勇信タイトルマッチ!

 28日午前10時(生中継)/9月4日午後11時(リピート放送)

 ◇UFC史上初 日本人王者誕生か! ~岡見勇信 いざブラジルへ!~

 27日深夜0時30分(無料放送)/28日午前7時25分(無料放送)

テレビ 最新記事