剛力彩芽:「愛ってすてき」秘密を抱える少女を熱演 ドラマ「IS~男でも女でもない性~」

「IS~男でも女でもない性~」で主演を務める剛力彩芽さん
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「IS~男でも女でもない性~」で主演を務める剛力彩芽さん

 性別があいまいな状態で生まれる性分化疾患をテーマにしたドラマ「IS(アイエス)~男でも女でもない性~」(テレビ東京系)で、女優の福田沙紀さんとともにダブル主演を務める剛力彩芽さん。剛力さんは、ロングヘアにピンクのカーディガン、白のロングスカートというキュートな“美和子の私服姿”で取材場所に姿を現すと、「普段は全くこういう格好をしなくて、自分とは正反対!  ドラマが放送されたときに、母と姉に大笑いされました」と照れながら、ドラマについて語った。(毎日新聞デジタル)

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 性分化疾患(IS)は、性器や染色体などの性別があいまいな状態の先天的疾患の総称。数千人に1人の割合で生まれるといい、社会の差別や偏見を前に、性別を決めて性器形成手術を受け、本人や周囲が疾患を隠すケースもあるとされている。ドラマは、六花チヨさんがマンガ誌「Kiss」(講談社)などに連載し、第31回講談社漫画賞を受賞したマンガが原作。「IS」として生まれた星野春が、成長していく体と、心の変化に戸惑いながら生きていく物語で、春役を福田さん、春の同級生で春と同じ「IS」だという秘密を抱える相原美和子を剛力さんが演じるほか、春の初恋相手、伊吹憲次役で井上正大さんが出演する。

 もともと原作のマンガが大好きだったという剛力さん。演じることになったときは「お話が来たときは信じられなかったです。ドラマ化したら面白そうだね、いいドラマになりそうだよね、と家族でも話していて、『ドラマ化するならやりたい』って言い張っていたので、本当に夢がかなっちゃった。びっくりしました」と興奮気味に明かし、「原作ファンだから原作に忠実でいたいけれど、ドラマでしか表現できない美和子もいる。生の美和子を演じられたらいいと思ったので、やれてよかった」と笑顔を見せる。3作目の連続ドラマ出演作で初主演については、「演技することに変わりはない。いい演技ができなくなるのは嫌なので、主演のプレッシャーは感じたくないと思いました」ときっぱり。

 美和子役について、剛力さんは「リストカット(第3話)したり、親にはさみを向けられたり(第8話)と、自分が経験してないことをいろいろする子なので、想像力をふくらませてやるのが大変です。あと、泣く芝居が多いんです。美和子の気持ちになれれば自然に泣けてきます」と演じる上での難しさを語った。ドラマは緊迫した展開が続くが、現場の雰囲気は「毎日楽しい。結構みんな和気あいあいとしています」と意外な答えが返ってきた。「私が泣く演技のときは、監督が『そういう感情になってから始めていいよ』と言われて、私のペースでみんな待ってくれる」と現場の雰囲気は温かいようだ。

 美和子との共通点を聞くと、剛力さんは真剣な表情で「強くなりたいという思いとか、家族が大好きなところが似ているのかな。私は気持ちを全面に出すけれど、うまく表現できないのが美和子です」と分析。「私は昔すごく人見知りだったんです。言いたいことを全然何も言えないし、感情とかも表に出さない性格だったので、割と昔の自分を見ている気がする。美和子もうれしいことは言うのに、つらかったり苦しかったりすることは表に出さない子なんですよ。そういうところは昔の自分にすごく似ているのかな。だから美和子の気持ちもすごく分かる」と役への思いを語った。

 ダブル主演で所属事務所の先輩の福田さんについて、剛力さんは「演技について真剣に取り組んでいて、本当にお芝居が好きなんだなということが伝わってくる」と尊敬のまなざしで見つめ、「自分の意見を言ったり、カメラの位置を事前に把握して、お互いがどうやって映っているのかとか、そんなこと私は考えたことなかったので、『すごいなあ』と思っていました。演技が間近で見られて勉強させてもらっている」と話した。

 ストーリーは佳境に入ってきたが、「本当に家族のことを考えさせられるドラマだなと思います。愛情のかけ方って人それぞれで、違うかもしれないけれど、家族に対する愛情ってみんな変わらないくらい注いでいるんだなと感じるので、今の時代にすごく大事なテーマなんじゃないかと思います」と熱く語り、「これから春と美和子がどうなっていくのか楽しみ。本当に私も分からないんです。美和子は回を増すごとに強くなっていくけれど、周りが支えてくれるから、強くなれる。そういうところを見てほしい。愛ってすてきだなと思いますね」とPRした。

 8月27日に誕生日を迎え、19歳になったばかりの剛力さんに最後の10代への思いを聞くと、「もっと大人だと思っていましたが、16歳くらいのまま。逆に今の方が子どものような気もします。でもそれが楽で、今の自分が結構好きだったりもするので、毎日楽しく、悔いなく1日を送って、19歳を思い切り楽しみたい」と笑顔をはじけさせた。今後やってみたい役は、「着物がすごく好きなので、時代劇に出たいんです! 髪の毛も短いので、男の子役でも全然いいです。チャンバラとか楽しいですね!」と目を輝かせていた。

 ドラマは、毎週月曜午後10時から放送中。19日の第10話で最終回を迎える。

 <プロフィル>

ごうりきあやめ。1992年8月27日生まれ、神奈川県出身。O型。08年2月からファッション誌「Seventeen(セブンティーン)」専属モデルを務め、10年8月には「劇場版 怪談レストラン」で映画初出演、11年1月、「大切なことはすべて君が教えてくれた」(フジテレビ系) で本格的に女優デビューし、4月「アスコーマーチ~明日香工業高校物語~」(テレビ朝日系)でもレギュラーで出演した。「IS~男でも女でもない性~」では、福田沙紀さんとのダブル主演で連続ドラマ初主演を果たす。12年1月公開予定の映画「カルテット!」にも出演する。趣味はフルート、お菓子作り。特技はダンスと料理、アロマテラピーアドバイザーの資格を持っている。 

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