ラノベ質問状:「風水天戯」 史上初のビーンズ大賞受賞作 不器用な少年の成長譚

望月もらんさん作、藤崎竜さんイラストの「風水天戯」3巻(角川書店)
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望月もらんさん作、藤崎竜さんイラストの「風水天戯」3巻(角川書店)

 話題のライトノベルの魅力を担当編集者が語る「ラノベ質問状」。今回は、初のビーンズ小説大賞受賞作となった中華ファンタジー「風水天戯」(望月もらん著、藤崎竜画)です。角川書店ビーンズ文庫編集部に作品の魅力を聞きました。

ウナギノボリ

 −−この作品の魅力は?

 世間知らずでドジな末っ子公子・星淑が、親指サイズの仙人・楊老師と伝説の奥義書「風水天戯」と出会ってから、たくさんの「初めて」を経験していくなかで、兄と国を守るために風水師になろうと奮闘し、成長していくところです。

 星淑の周りを固める男性陣もくせ者ばかりですが、超堅物のお兄さんと怪しい側近、因縁のライバルとのやり取りは、真剣な中にちりばめられた笑いがクセになると思います。

 −−作品が生まれたきっかけは?

 作者の望月もらんさんは、ビーンズ文庫の小説大賞出身で、「風水天戯」で史上初の大賞を受賞し、デビューしました。非常に完成度の高い中華ファンタジーに、現代の私たちからすると、ただのお部屋整理術としか思われていない「風水」を、気の流れを操る壮大な術としてとらえ直し、盛り込んだところが斬新でした。

 −−作家さんとイラストレーターさんはどんな方でしょうか?

 望月さんは、作品のどこかで読者さんを笑わせよう、怒らせてみたいと仕掛けてくる方で、作品研究にも余念がありません。これまで少女小説を読んだことがないという読者さんにも興味をもっていただきたいと思い、イラストをお願いした藤崎さんは、作品を深く読み込んだ上で、世界観を広げてくれるようなアウトプットをくださる方です。

 衣装や背景の細部に意外な驚きがつめこまれたイラストばかりで、毎回「文庫サイズがもったいない!」と思っております。男性キャラの活躍が目立つシリーズでしたが、10月1日発売予定の最新刊でようやく美麗な女性キャラ登場予定です!

 −−編集者として、この作品にかかわって興奮すること、逆に大変なことについてそれぞれ教えてください。

 原稿やイラストを拝見するときに、「想像を超える」という体験をさせていただけることかな、と思います。一方で、イラストの藤崎さんから、思わぬ角度の質問をいただくときもあり、望月さんにご相談し、的確な回答をいただいています。

 最近では、「灼熱男子」というテーマで藤崎さんに描いていただいたカラーイラスト(「風水天戯」の短編小説も掲載されているムック「プレミアム・ザ・ビーンズ VOL.1」に掲載)に驚かされました。熱い男のイメージがあまりなかった主人公の星淑が、読者さんのハートを熱くさせる魅力をさく裂させています!

 −−今後の展開、読者へ一言お願いします。

 「風水天戯」は、不器用な少年が熱い絆を結んでいく成長物語として、少年マンガが好きな方にお薦めしたい作品です。現在発売中の第3巻では、ドラマCDの全員応募サービス(応募者負担あり)を実施中で、音声で「風水天戯」の世界を楽しんでいただけるチャンスだと思っています。また、公式サイトでは、10月1日発売予定の最新刊のサイン本抽選プレゼントキャンペーンも実施中です。ますますヒートアップしていくシリーズですので、よろしくお願い申しあげます!

角川書店 ビーンズ文庫編集部 

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