松雪泰子:湊かなえ書き下ろしドラマ「境遇」に主演 親友役にりょう ABC60周年記念

湊かなえさん書き下ろしのドラマ「境遇」のポスター写真。主演の松雪泰子さん(左)と共演のりょうさん
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湊かなえさん書き下ろしのドラマ「境遇」のポスター写真。主演の松雪泰子さん(左)と共演のりょうさん

 「告白」などで人気のミステリー作家・湊かなえさんが原作を書き下ろし、女優の松雪泰子さんが主演するABC創立60周年記念スペシャルドラマ「境遇」が今冬放送されることが20日、明らかになった。湊さん初のドラマ原作で、映画「沈まぬ太陽」で日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞した若松節朗監督が演出する。

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 ドラマは、5歳の息子・裕太の母として平穏生活を送っていた高倉陽子(松雪さん)が子供のために描いた絵本が新人賞を受賞する。絵本は、陽子と同じく幼いころ親に捨てられたという境遇を持つ親友の相田晴美(りょうさん)の思い出を描いたものだった。県会議員の夫・正紀(沢村一樹さん)の不正献金疑惑を払拭しようとした母・弘子(白川由美さん)や後援会長の後藤良隆(岸部一徳さん)らが、陽子を売り出そうと躍起になり、気が進まない陽子を晴美が励ます。その二人の様子を見つめる謎の女性(いしだあゆみさん)。ある日、裕太が誘拐され、「息子を無事返して欲しければ、世間に真実を公開しろ」と書かれた脅迫状が届く。後藤に「警察や正紀とは一切コンタクトを取るな」と止められた陽子は、晴美に助けを求める……というストーリー。テレビドラマでは異例の1カ月のオールロケを長野県松本市で実施した。

 原作の湊さんは「遠くの親戚よりも、血のつながりがなくても、近くにいる人の方が密接に関わることも多い世の中で、“人と人とのつながり”について改めて考えてみたい」と「境遇」をテーマを選んだといい、「『読むドラマ』みたいな感じの小説というのも面白いのでは……と思い、ドラマを意識しながら書きました。私が書いてきた小説には風景描写はあまりなくて、読み手に想像してもらうことが多かったんですが、今回は色であったり、建物や施設の様子であったり、そこにある景色を意識して書きました。おかげで、これまでとはまた違ったものができて、よかったなと思っています」とコメントしている。

 松雪さんは「脚本を読む前に、湊さんが書かれた原作の草稿を読ませていただいたのですが、2人の女性の深いつながりを描いた作品で、心理描写がとても丁寧に描かれているなと思いました」と原作の印象を語り、りょうさんとの共演について「表面的なところでは表現されていない、もっと深いところで2人が繋がっているという感覚をいつも持って演じていたので、そういう親友同士の役をりょうさんと一緒に演じることができて、本当によかったです」と話している。

 原作「境遇」は10月7日、双葉社から発売予定。また、児童養護施設を舞台に、施設で親に捨てられた子供たちの面倒を見る男性職員の目線で描いたダンカンさん主演のスピンオフドラマ「もうひとつの境遇」が20日から、番組公式ホームページ(http://asahi.co.jp/kyogu/)で公開される。(毎日新聞デジタル)

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