注目映画紹介:「親愛なるきみへ」 スパークス作品の映画化 “人間愛”を強く意識

「親愛なるきみへ」の一場面 (C)2010 DEAR JOHN,LLC.All rights reserved.
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「親愛なるきみへ」の一場面 (C)2010 DEAR JOHN,LLC.All rights reserved.

 「メッセージ・イン・ア・ボトル」「きみに読む物語」「ウォーク・トゥ・リメンバー」などの原作者として知られるニコラス・スパークスさんによる小説「きみを想う夜空に」を、「ギルバート・グレイプ」(93年)や「サイダーハウス・ルール」(99年)、最近では「HACHI 約束の犬」(09年)などでメガホンをとったラッセ・ハルストレム監督が映画化した「親愛なるきみへ」が公開中だ。全米ではスパークス作品史上最高のヒットを記録しているという。

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 01年春、特殊部隊に配属されていた米軍兵士ジョンと、女子大学生のサヴァナは、ジョンの休暇中、帰省先で知り合い恋に落ちる。2人の愛は永遠と思われたが、その後に起きた出来事によって彼らの運命は大きく変わってしまう……というストーリー。ジョンを演じるのは、青春映画「ステップ・アップ」(06年)に出演、「G.I.ジョー」(09年)で注目されたチャニング・テイタムさん。相手役のサヴァナに「マンマ・ミーア!」(08年)でブレークし、「ジュリエットからの手紙」(10年)、「赤ずきん」(11年)など出演作が相次いだアマンダ・サイフリッドさん。また、「扉をたたく人」(07年)で米アカデミー賞主演男優賞候補となったリチャード・ジェンキンスさんがジョンの父親役で出演している。

 これまでのスパークス作品の映画化のような、いわゆる観客の涙をしぼり取る内容とは趣が異なる。自己犠牲的、博愛主義的考えが色濃く出ており、ラブストーリーではあるけれども“人間愛”を強く意識させる。舞台となる時代をかんがみるとそれもうなずけるが、それ以上に、「鮮烈な感情をセンチメンタルに描かないことにこそ興味がある」と語るハルストレム監督流のウエット過ぎない抑えた演出の効果が大きいと思われる。23日から新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で公開中。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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