歌手の氷室京介さんが6月に東京ドームで行った東日本大震災の復興支援チャリティーライブの収益金約6億7000万円を、福島、宮城、岩手の被災3県に全額寄付したことが明らかになった。被災地に直接届けたいという思いを持っていた氷室さんだったが、現在海外にいるという事情もあり、企画段階からライブにかかわった日本テレビ系のニュース番組「NEWS ZERO」に寄付を依頼。村尾信尚キャスターが3県を訪問して各県知事に手渡した。
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同ライブは、氷室さんが80年代にボーカルを務めたロックバンド「BOφWY」の解散以来初めて、同バンドの楽曲だけで全編を構成。6月11、12の両日、東京ドームで開催され、2日間で約10万4000人を動員する国内最大規模のチャリティーライブとなり、グッズ収入を含む収益も総額6億6922万940円に達した。復興支援ライブを行った多くのアーティストがさまざまな団体を介して収益を寄付しているが、氷室さんは被災地に直接届けたいという強い思いがあったという。しかし現在米ロサンゼルスにいるため、氷室さんの代わりに村尾キャスターが12日から被災3県を訪れ、1県あたり2億2307万3646円を手渡した。
福島県の佐藤雄平知事は「まずは、被災なさって非常につらい状況でいる皆さん、そして、次の福島を担う未来の子どもたち、そういう育成に使わせてもらったら」とコメント。村井嘉浩宮城県知事は、義援金については被災者に直接渡し、寄付金は民間の病院や福祉施設などの再建支援に充当することを明かし、達増拓也岩手県知事も、親を亡くした子どもたちの就学を支援する「いわての学び希望基金」への活用を考えているとしている。
「自分は単に歌う担当に過ぎなかったという認識でいます」という氷室さん。「震災から約半年が過ぎ、被災地とそれ以外の地域の方々との間にも、徐々に意識のズレが生じてくるころかと思います。これからもマスメディアの皆さん方を中心に、コメントを出せる立場にいる僕らも一丸となって、両者の距離を縮める役割を担っていけたら」と話している。(毎日新聞デジタル)
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