阿部寛:7キロ減でがん患者役に 「姿重なった」と主人公の妻も涙 映画「天国からのエール」公開

映画「天国からのエール」の舞台あいさつに登場した阿部寛さん
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映画「天国からのエール」の舞台あいさつに登場した阿部寛さん

 俳優の阿部寛さん主演の映画「天国からのエール」(熊澤誓人監督)が1日公開され、東京都内で開かれた舞台あいさつに、阿部さんが演じた主人公のモデルで、故・仲宗根陽(ひかる)さんの妻・美幸さんが登場した。がんで亡くなった間際の夫を演じるために3日間で7キロ減量したという阿部さんについて「何度も阿部さんの姿が主人と重なって、涙があふれました。阿部さんに演じてもらえることを主人も喜んでいると思う」と涙ながらに語った。阿部さんは「最初はまるで夢物語で正直腑(ふ)に落ちなかったんですが、奥さんを見て陽さんを感じられた。何としてでもこの映画を成功させたいと思った」と強い思いを告白した。

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 「天国からのエール」は、音楽を志す高校生たちを応援したい一心で、無料の音楽スタジオを建て、多くの高校生バンドを育て、若者たちから“ニイニイ”と親しまれた仲宗根さんが、腎臓がんになり、余命を知りながらも懸命に活動を続け、09年11月に42歳の生涯を閉じるまでの”奇跡の実話”を映画化した。仲宗根さんの姿はNHKでドキュメンタリー番組として放送され、「僕らの歌は弁当屋で生まれた・YELL」という本も出版されている。

 舞台あいさつには、妻役のミムラさんや、プロを目指す高校生バンドの紅一点を演じた桜庭ななみさん、熊澤監督らも登場。役作りでパーマをあて、7キロ減量した阿部さんは「撮影現場の近くにあった仲宗根さんのお墓にいって自問しつつ、『間違っていることがないか?』と(仲宗根さんに)問いかけました」と振り返り、「この人物をぜひ紹介したいなと思って多くの宣伝をしてきました。仲宗根さんが残したものは、現在の社会にとってもすごくいいものだと思う。心の中に自分なりのいいものを持って帰ってもらえることを信じています」と呼びかけた。映画は、「新宿バルト9」(東京都新宿区)ほか全国で公開中。(毎日新聞デジタル)

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