俳優の佐藤健さん主演で実写映画化される「るろうに剣心−明治剣客浪漫譚−」(大友啓史監督)の追加キャストが4日、発表され、俳優の江口洋介さんが旧幕府軍・新撰組三番隊組長の斉藤一を演じることが明らかになった。また、歌手で俳優の吉川晃司さんが浮浪(はぐれ)人斬り・鵜堂刃衛役、俳優の香川照之さんが悪の親玉・武田観柳役で出演することも発表された。江口さんは、作品について「今まで経験したことのない大友監督の撮影方法に新たな可能性を感じ、僕自身どう仕上がるのかが、今から楽しみでいます。きっと今までにないエンターテインメントをご披露できるのではないかと思いますので、ご期待ください」とコメントを寄せている。
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「るろうに剣心」は、94~99年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載され、コミックスは全28巻で累計5000万部以上を発行した大ヒットマンガ。幕末に「人斬り抜刀斎」として恐れられた緋村剣心(ひむら・けんしん)が、明治維新後「不殺(ころさず)」を誓った流浪人(るろうに)として、さまざまな人たちとの出会いや、宿敵との戦いをへて、新たな時代の生き方を模索していくという物語で、映画では主人公の剣心を佐藤さん、ヒロイン・神谷薫を女優の武井咲さん、剣心を慕う美人女医の高荷恵を女優の蒼井優さんが演じる。大河ドラマ「龍馬伝」を手がけ、4月に20年間在籍したNHKを退局した大友監督がメガホンを取る。
江口さんが演じる斉藤一は、新撰組を経て、明治維新後は明治政府の警官となり、密偵として暗躍する……という原作でも人気のキャラクター。江口さんは、作品の舞台について「明治になり国から魂である刀を奪われた。そんな人間たちが明治という時代をどう生き抜いていくのかが、この作品には詰まっている」と話し、「『るろうに剣心』を通して日本人が生きてきたルーツみたいなものを少しでもスクリーンの中から感じとってもらえればと思う」と作品への思いを語っている。
また、吉川さんは、鵜堂刃衛について「敵味方の分別を忘れただひたすらに切りまくるは、己にふさわしい死に場所を得るためか。そのまとう寂しさに“ゾクッ”とさせられながら演じられる幸せ。奇々怪々です!」とコメント。「龍馬伝」から引き続き大友監督作品に出演する香川さんは「監督からは『新しい悪、ただの悪ではないもの』を目指すと言われて、役作りと同時に、いろいろな小道具だったり、メークだったり、髪の毛だったり、衣装だったり、外見の造作には非常にこだわっています。観柳は自由勝手に生きた人なので、僕も作品の中で自由に振る舞えればいいなと思っています」と意気込みを話している。
製作はワーナー・ブラザース映画で、12年夏に公開予定。(毎日新聞デジタル)
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