作品を発表するごとに話題を呼び、映像化オファーが後を絶たない人気作家の東野圭吾さん。その初めて恋愛小説「夜明けの街で」が、深田恭子さんと岸谷五朗さんの顔合わせで映画化された。メガホンをとったのは、映画「沈まぬ太陽」の若松節朗監督。「自分にとって、とてもハードルの高い役でした」と振り返る深田さんに話を聞いた。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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映画「夜明けの街で」は、41歳の妻子持ちのエリートサラリーマン、渡部和也(岸谷さん)が、31歳の派遣社員、仲西秋葉(深田さん)とただならぬ関係に陥ってしまう物語だ。単なる不倫劇で収まらないのが東野作品。実は、秋葉は過去の出来事から心に闇を抱えており、その闇の真相を探っていくというサスペンスフルな展開が待ち受けている。
世の奥様方全員を敵に回すことになりかねない秋葉の役。原作の東野さんからは「女性に嫌われそうな役をやってくださってありがとうざいます」と感謝されたというが、深田さん自身は台本を読んだとき、秋葉は「男の人にとっての理想の女性。夢のような女性だと感じた」と話す。だからといって演じることが簡単なわけではない。台本を手にしたときから、「この役を演じられるのか」と不安になり、撮影中も「秋葉の心の闇を抱え、自宅に帰っても悲しさだけが心の中に残っている状態でした」と撮影の苦労を振り返った。
深田さんは「年を重ねるごとにオファーされる役が難しくなる」と感じているという。今回の撮影では、若松監督から毎シーン、毎カットごとに耳元で演技についてささやかれた。深田さん本人は「どんな役でも毎回身を削る思いで演じている」そうだが、それをさらりとこなしているように見えるのは、やはり才能なのだろう。
今作はラブストーリー色が強いが、深田さん自身は「素直にラブストーリーととらえることはできない」と、年ごろの女性として心境は複雑だ。なぜなら「不倫」の二文字と、「そんな愛は認めたくないという気持ち」が頭をよぎるからだ。もともと東野作品のファンだが、今回の原作小説は撮影時のつらい思いがよみがえるのが苦しくて、まだ読めていないという。それほど秋葉という役は深田さんにとってのめりこんだ役だった。だから、いまだに渡部とのシーンは「照れくさくて見られない。ラブストーリーの中の自分って、ちょっと恥ずかしい」と打ち明ける。
そんな深田さんにお気に入りのシーンをたずねると、伏し目がちに「自分が出てこないシーン」としながら、「自分が出てくると、もうドキドキして見られない。今回は特にそうです」と意外な答えが返ってきた。そして「不倫のお話ということで、後ろめたさがあるのかもしれません。恋というより、すごくいけないことをしているみたいな。(和也と秋葉の)2人のシーンは、とてもすてきなシーンだとは思うんですけど、そういう気持ちもあって、なかなか楽しんでは演じられませんでした」といまだに戸惑いを隠せないでいる。それでも「東野さんの作品の中で、こういうラブストーリーはなかなかないと思いますし、ミステリーの部分も楽しんでいただけたら」と作品をアピールした。その一方で、「不倫というものを、映画の中だけで楽しんでください」とクギを刺すことも忘れなかった。
<プロフィル>
1982年、東京都生まれ。96年ホリプロタレントスカウトキャラバン「PURE GIRL」オーディションでグランプリを獲得しデビュー。数多くの映画、ドラマに出演。主な映画出演作に「阿修羅のごとく」(03年)、「下妻物語」(04年)、「ヤッターマン」(08年)、「恋愛戯曲 私と恋におちてください。」(10年)、「豆腐小僧」(声の出演・11年)、「こちら葛飾区亀有公園前派出所THE MOVIE 勝どき橋を封鎖せよ!」(11年)などがある。公開中の「セカンドバージン」にも出演。12月に「ワイルド7」の公開も控える。
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