アニメ質問状:「ペルソナ4」 ゲームと同じワクワクした気持ちを

テレビアニメ「ペルソナ4」の場面 (c)Index Corporation/「ペルソナ4」アニメーション製作委員会
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テレビアニメ「ペルソナ4」の場面 (c)Index Corporation/「ペルソナ4」アニメーション製作委員会

 話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、PS2で人気を博したRPGをアニメ化した「ペルソナ4」です。アニプレックスの足立和紀プロデューサーに作品の魅力を語ってもらいました。

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 −−作品の概要と魅力は?

 原作はPS2用の同名ゲームで、物語は三つの大きな要素で構成されています。一つは、主人公の引っ越した田舎町で起こった連続殺人事件の謎を追うミステリー的要素。一つは、「マヨナカテレビ」と世間でうわさされている謎の世界で起こる、シャドウと呼ばれる異形のモノと、主人公や仲間たちが持つ心の力“ペルソナ”とが繰り広げるバトルアクション。そして最後に、事件とバトルの間でつかの間の平和な日常を描いた学園ジュブナイルという要素です。さまざまな個性豊かなキャラクターたちの青春バトルミステリーと呼ぶべきたくさんの魅力が詰まった作品になっています。

 −−制作決定の経緯と、アニメにするときに心がけたことは?

 作中設定が11年を描いた物語だったので、11年にオンエアすることを目指して数年前から企画は進めていました。前作「ペルソナ~トリニティ・ソウル~」ではオリジナルストーリーを描いたのですが、今回は「ペルソナ4」を原作通りに描いていくということが一番大きなコンセプトでありテーマでした。

 といっても、それに向けてやるべきことは原作ファンならすぐに思いつくようなことばかりなんです。ゲームの音楽をアニメでも流したい。OP/EDは同じくゲームで歌っていた平田(志穂子)さんに歌ってほしい。イゴールというキャラの声を演じていた田の中勇さんはお亡くなりになっているのですが、イゴールは田の中さんの声以外じゃ考えられない、などなど。自分の中で「ペルソナ4」のアニメ化の理想像というのは簡単に思い描けていました。それを実現していくには本当にさまざまな調整が必要だったのですが、原作元のインデックス様をはじめとした多くの方々のご協力と、岸(誠二)監督をはじめとした同じく原作好きなアニメ制作陣の力があって、やりたかったことは全て実現できたと思っています。

 −−作品を作るうえでうれしかったこと、逆に大変だったことは?

 自分が生粋のペルソナファンなので、ゲームで体験した内容が一つ一つアニメーションに起こされていく過程は全てうれしい出来事です。ただ、原作に忠実に作っていこうとしていても、どうしてもテレビアニメという体裁上、変えていかなければならない部分もあります。原作通りに作っていきたい気持ちを持ちながら、テレビアニメとして最高のものに仕上げるために、原作の良さを残したまま改変していくことが一番大変でした。脚本会議上でも、原作通りに進んでいるところはスムーズですが、変更せざるを得ないときには本当に一つ一つ大きな決断を迫られていましたね(笑い)。

 −−今後の展開、読者へ一言お願いします。

 これまでずっと、原作ファンに向けて満足してもらえるテレビアニメ「ペルソナ4」をどのように作っていくかということを考え続けてきましたが、実は原作ファンはもちろんのこと、原作ゲームをプレーしていない方にこそ、このアニメをぜひご覧いただきたいと思っています。なぜなら、僕たち原作ゲームファンが数年前、ゲーム「ペルソナ4」をプレーしたときのワクワクした気持ちを、同じように感じてもらえるはずだからです。それは既にプレーを終えてしまった自分などからすると、ある意味とてもうらやましいことです。僕らが当時プレーしながら得た驚きや感動を、今このアニメと共に味わうことができるのですから。

 ぜひ、ネタばれ的な情報は可能な限りシャットアウトして、まっさらな状態で「ペルソナ4」という作品を楽しんでいただけたらうれしいです。原作ファンの方々も、まだプレーしていない友人たちにぜひこのアニメを紹介して一緒に楽しんで見てください。原作を知り尽くしている方にも新鮮な気持ちで見てもらえるような仕掛けも用意してあります(笑い)。どうか最後までお付き合いください。

 アニプレックス プロデューサー 足立和紀

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