俳優の西島秀俊さん主演で、俳優として活躍する伊勢谷友介さんの監督2作目となる映画「セイジ−陸の魚−」が東京都内で開催中の「第24回東京国際映画祭」で特別招待作品として27日、初上映されることとなり、舞台あいさつに西島さんと伊勢谷監督が登場した。西島さんは、映画での役作りについて「体を絞り切る、共演者と極力しゃべらないというのを目指しました」と話すと、伊勢谷監督は「すごいですよ。(伊勢谷さんが出演した)映画『あしたのジョー』(の力石徹役)で、体を絞るのは自分のお株だと思っていたのに……。現場で見てびっくりしました」と西島さんの役者魂を絶賛した。
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「セイジ−陸の魚−」は、辻内智貴さんの小説「セイジ」が原作で、俳優や美術家としても活躍する伊勢谷監督が映画「カクト」(02年)以来、メガホンをとった作品。バブルの熱気が残る時代を舞台に、学生最後の夏休みを迎えた「僕」(森山未來さん)は、適当に就職先を決めて、自転車旅行に出る。「僕」は、見知らぬ街をいくつも越える中で、衝突事故を起こし、旧道沿いのドライブイン「HOUSE475」に行き着く。普段は寡黙だが、人の心をとらえる言葉を話す店主のセイジ(西島さん)と個性的な常連客たちに魅了された「僕」は、いつのまにか住み込みで働くようになる。自分の居場所を見つけたような気分になった「僕」は、セイジのことがもっと知りたくなり、彼の周辺を探り始めた矢先、平和な日常を一瞬で吹き飛ばしてしまう事件が起こる……というストーリー。津川雅彦さん、裕木奈江さん、新井浩文さんら豪華キャストも出演し、音楽は、数々の電子音楽作品を発表してきた作曲家の渋谷慶一郎さんが担当する。
伊勢谷監督は、西島さんの演技について「ほとんど演出していない。大変なシーンでもサラッとやるんですよ」と絶賛すると、西島さんは「ウソです」と即否定。西島さんは、伊勢谷監督の演出を「俳優と一緒に役を作る。役にとてつもなく愛情を注ぐ」と絶賛した。また、西島さんは、共演者について「徹底的に役作りをして、先輩の役者でも遠慮なく演技をするので有名な役者がそろっている」と話し、「伊勢谷監督は、俳優の目でキャスティングをしたのだと思う。選ばれたのは光栄」と喜んでいた。
伊勢谷監督は「(前作から)8年間、さまざまなプランニングしてトライしてきたけど、なかなか現実にならなかった」と苦労を明かし、「ツイッターにも書いているのですけど『挫折禁止』です」と映画の完成を喜んでいた、映画は12年2月18日から公開予定。(毎日新聞デジタル)
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