松山ケンイチ:流鏑馬プロ並み5本中3本を的中 京都で12年大河「平清盛」ロケ

流鏑馬のシーンを収録する松山ケンイチさん
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流鏑馬のシーンを収録する松山ケンイチさん

 俳優の松山ケンイチさん(26)が15日、主演する12年のNHK大河ドラマ「平清盛」の撮影で京都市内で流鏑馬(やぶさめ)のシーンを収録し、5本中3本を的中させる腕前を見せた。撮影の合間に取材に応じた松山さんは「自信を持ってやることができました。画面で見ると迫力があってかっこいいものになっていると思う」と満足そうに語った。また収録には、清盛の親友・佐藤義清(のりきよ)役の藤木直人さん(39)も登場し、扮装(ふんそう)姿を初披露した。

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 「平清盛」は、武士が貴族たちから差別されていた時代、本当の親を知らないまま、武士の新興勢力・平氏のもとで育てられた少年が、瀬戸内海の海賊を束ねて“武士の王”となり、貿易こそがこの国が豊かになる道だと人々に説く……という物語。清盛は白河法皇の“落胤(らくいん)”で、忠盛が養子にしたという設定。藤木さんが演じる義清は後の西行で、清盛と共に院を護衛する「北面の武士」として活躍したが、鳥羽上皇のきさき・璋子(たまこ)と関係を持ったことがきっかけで出家し、放浪の身となる役どころで、清盛と同い年の生涯の親友として描かれる。

 この日の収録シーンは、1133年春に鳥羽院御所内の武芸場で義清が流鏑馬のけいこを行い、その義清の視線を意識しながら、清盛も馬上で腰の矢を抜こうとする……という場面で、200メートルほどの一直線の馬場で行われた。1回走るごとに1本の的を狙い、松山さんは午前中に5本の矢を放って見事3本を的中させた。馬に乗りながら弓を使いこなす流鏑馬は難度が高く、磯智明チーフプロデューサーは「プロでもなかなかできないようなこと。驚いています」と舌を巻いた。

 松山さんは、これまでに「60鞍(1鞍=約1時間)ぐらい馬の練習をした」といい、「直線の馬場で練習する機会がほとんどないので、イメージしていても現場に行くと、正直怖さがある。どれだけ練習して『これで大丈夫だ』と思っても現場に来るとすごくドキドキして怖くなる。今も緊張しながらやった」と明かした。藤木さんは午前の撮影で的中せず、「実際に衣装を着て装具をつけたのは今日が初めて。これで弓をさばかなきゃいけないのは、ちょっと大変です。午後からも撮るので頑張ります」と気合を入れていた。

 松山さんと初共演の藤木さんは13歳年下の松山さんに対し、「こんなおじさんが同い年でいいのかなと大変申し訳ないなと思った」と恐縮した様子。しかし「松山さんはすごく生き生きと人間味あふれる器の大きな清盛を演じていて、それに負けないよう僕も西行らしさを出していかなきゃいけない。たくさん刺激を受けています」と語った。一方、松山さんは「(2人が)並んでも同い年に見えると思う。藤木さんを見て、おじさんなんて言葉は全く出てこない。(役に)本当にぴったり」と話していた。

 撮影は8月中旬に岩手県でクランクインし、これまでに広島県や関西地方、栃木県でロケ撮影を行い、10月2日から同局でのスタジオ収録を行っている。ドラマは12年1月8日からNHK総合で毎週日曜午後8時放送予定で、初回は74分の拡大版。この日収録された流鏑馬のシーンは12年1月29日の第4回で放送の予定。(毎日新聞デジタル)

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