ゲーム質問状:「俺の屍を越えてゆけ」 現場は「努力と根性」 続編の企画も

「俺の屍を越えてゆけ」(SCE)のパッケージ
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「俺の屍を越えてゆけ」(SCE)のパッケージ

 ゲーム制作に込めた開発者の思いを聞く「ゲーム質問状」。今回は、プレイステーションで人気を集めたRPGを12年ぶりにPSPでリメークした「俺の屍を越えてゆけ」(SCE)です。ゲームデザイナーの桝田省治さんに作品の魅力を聞きました。

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−−ゲームの特徴と、セールスポイントは?

 映画やマンガ、演劇など従来のエンターテインメントでは、観客は主役に思い入れをして楽しみます。ですが、主役になれるのは才能と運があるごく一部の人だけです。対してテレビゲームでは、誰でも主役になれて主体的に状況を変えていくことができます。これがテレビゲームの最たる特徴だと思います。

 俺屍の一番の特徴は、特定の主人公が存在しないこと。主人公は、子へ孫へと連綿と続く一族です。彼らは、悪鬼によりかけられた短命の呪いにより急成長し約2年で死にます。その悲願は、いつの日か悪鬼を討ち果たし呪いを解くこと。そのために血が絶えぬよう神々と交わり、子々孫々に遺志を託します。

 もう一つの特徴は、さまざまな局面でランダム性が高くシナリオに依存しないため、プレーヤーによりゲームの展開が大きく変わること。これによりプレーヤーごとのドラマが生まれ、唯一無二の一族史がつむがれていきます。

−−今回のPSP版のねらいは?

 まず、オリジナル版を遊んでくれたユーザーの皆様への恩返し。この12年間に出た不満や要望に可能な限りこたえることを目標に、数千項目にわたり細かな修正を行いました。もうひとつは、オリジナル版になかった「形見の剣の継承」「他のプレーヤーとの子作り」「親子二代の併せ技」など新要素の追加。これらは続編制作をにらんでの、いわば実験ですので、遊んだ方はぜひご意見をお寄せください。

−−今だから笑って明かせるけれど、開発当時は大変だったエピソードをお願いします。

 笑えるエピソードとのリクエストでしたが、とくに思い出せません。逆に泣きたくなったのは、やはり3月の震災です。このプロジェクトは、もともと1日単位で進行するかなりタイトな開発スケジュールだったので、作業の遅れを取り戻すため、現場は「努力と根性」だけが頼りでした。

−−ファンへ一言お願いします。

 ユーザーの皆様は、リメーク版をプレーしている真っ最中でしょうが、僕ら開発スタッフはすでに続編の企画に入っています。世代を重ねて、親から子、孫へと志を受け継いでゆく“俺屍”独自の面白さに加え、今までのゲームにはなかった新しい楽しさを提案するつもりです。こうご期待!

 「俺の屍を越えてゆけ」ゲームデザイナー マーズ代表取締役 桝田省治

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