元サッカー日本代表の中田英寿さんが27日、3D映画「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密」(スティーブン・スピルバーグ監督)の「Support Our Kids(サポートアワーキッズ) チャリティー試写会」(ベルギー大使館主催)にゲストで登場し、東日本大震災の被災地の子供たちをクリスマスの時期に映画館に招待するプランを明かした。中田さんは「被災地にも行きましたが、ぼくにできることを考えていた。クリスマスに無料で映画館に来られるようにお願いして、プレゼントできることになりました」と説明。関係者によると、この“クリスマスプレゼント”は、中田さん自らが提案し、劇場鑑賞券2000枚を提供するという。
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この日の試写会は、「タンタンの冒険」の原作者であるエルジェさんの出身地のベルギー王国、スピルバーグ監督が生まれた米国、製作総指揮を担当した「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン監督の出身地であるニュージーランドの計3カ国の大使館や、両監督の協力により東北の被災した子供たちに映画を楽しんでもらおうと企画。被災地の仙台、福島などから中高校生や保護者ら200人を招待して行われた。「Support Our Kids」は、被災地の子どもたちに、語学留学・ホームステイを通じて、心のケアを行うプロジェクトで、この日の試写会にも同プロジェクトの実行委員会が協力している。
中田さんは、スピルバーグ監督らの声掛けに賛同してスペシャルゲストとして登壇。中田さんが提案した“クリスマスプレゼント”企画は、詳細は未定だが、クリスマス時期に同実行委員会を通じて、被災地の子供たちに届けられるという。中田さんは、“プレゼント”に同作を選んだ理由について、「この作品は大人から子供まで誰もが楽しめる作品。楽しいだけでなく隠されたメッセージもたくさんあって、来年に向けて頑張ろうという気持ちになれる作品だと思う」と説明した。
「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密」は、全世界80カ国語で翻訳され、2億部以上を売り上げているベルギー生まれのマンガが原作。スピルバーグ監督が、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズを手がけたピーター・ジャクソンさんをプロデューサーに迎えて映画化。物語は、17世紀に海賊の襲撃によって洋上で消えた「ユニコーン号」の模型を購入したタンタン(ジェイミー・ベルさん)が、ユニコーン号の財宝のありかを示した暗号が書かれた巻物を発見するところからスタートする。船の模型は三つあり、巻物が三つそろって暗号が完成するのだが、財宝を狙う者たちがタンタンに迫ってきて……というストーリー。映画には、「ジャンパー」(08年)のベルさん、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのアンディ・サーキスさんらが出演する。
試写会では、ベルギー王国のリュック・リーバウト駐日特命全権大使、原作者・エルジェさんの元夫人のファニー・ロドウェルさんや被災地の中高生の代表らも登壇。中田さんから“クリスマスプレゼント”が発表されると、中高生たちは「とてもうれしいです」「たくさんの方が協力してくれていると思う。本当に夢のようなお話ばかりで、すごくうれしい」と喜んでいた。映画は12月1日からTOHOシネマズ スカラ座(東京都千代田区)など全国で公開予定。(毎日新聞デジタル)
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