電撃文庫:カリスマ編集者が東大駒場祭で講演 マルチメディア成功の秘密語る

東京大の学園祭「駒場祭」で開かれた講演「エンタメノベルとメディアミックスの関係 電撃文庫の場合」の様子
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東京大の学園祭「駒場祭」で開かれた講演「エンタメノベルとメディアミックスの関係 電撃文庫の場合」の様子

 テレビアニメ化もされたライトノベル「とある魔術の禁書目録」など多くの人気作を手掛けた「電撃文庫」(アスキー・メディアワークス)の副編集長・三木一馬さんが27日、東大の学園祭「駒場祭」の講演に登場した。アニメのプロデューサーにも名を連ねる三木さんは、マルチメディア戦略を成功させるコツについて「(アニメ化する)原作を理解してくれるパートナーに託すことが大事。作ったアニメが(当事者や関係者の)イメージ通りいかないことは当然ある。8割ぐらいでお互いに納得するとうまく成功する」と明かした。

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 三木さんは、「灼眼のシャナ」や「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」、現在アニメ化の企画が進む「アクセル・ワールド」「ソードアート・オンライン」など多くのヒット作を世に送り出したカリスマ編集者。講演は、東大大学院情報学環教育部の自治会コンテンツゼミなどの主催で、タイトルは、「エンタメノベルとメディアミックスの関係 電撃文庫の場合」。会場は約200人が集まり満席となり、立ち見も出るほどだった。

 講演の前半では、自身の体験を基に、主にライトノベル業界の現状、編集者としての仕事内容、メディアミックスの取り組みを説明した。三木さんは「(多くの娯楽作品が)ユーザーの時間を奪い合う中、コンセプトを明確に訴えるアプローチが成功する」などと話した。

 後半は「アクセル・ワールド」を手掛けるワーナー・エンターテイメント・ジャパンの中山信宏さんと、「ソードアート・オンライン」担当のアニプレックスの柏田真一郎さんの両プロデューサーが登場。中山さんは「アニメにはお金がかかり、2クール(6カ月)だと3億円。成功すればみんなの手柄だが、失敗すればプロデューサーの責任なので、肝に銘じてやっている」と並々ならぬ覚悟を明かしていた。

 講演には途中から「アクセル・ワールド」と「ソードアート・オンライン」の作者・川原礫(れき)さんも登場。来場者からライトノベルの執筆する手順について質問されると「書いてみないと分からないので、プロットは切りません。最初から最後まで順番に考えます」と話して、来場者を驚かせていた。(毎日新聞デジタル)

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