注目映画紹介:「ロボジー」 ロボットの中にがんこジジイ! ミッキー・カーチスが好演

「ロボジー」の一場面(C)2012 フジテレビジョン 東宝 電通 アルタミラピクチャーズ
1 / 1
「ロボジー」の一場面(C)2012 フジテレビジョン 東宝 電通 アルタミラピクチャーズ

 近く開催されるロボット博での企業広告のために、二足歩行ロボットの開発を社長から命じられた白物家電メーカー「木村電器」の窓際社員3人だったが、博覧会直前にそのロボット「ニュー潮風」が大破。窮地に追い込まれた3人は、ロボットの中に人間を入れて急場をしのぐことにする。中に入る人間にオーディションで選ばれたのが、鈴木重光という73歳のがんこジジイ。しかも、ニュー潮風に恋をする女子学生まで現れたから、話はややこしくなっていく……という展開。

ウナギノボリ

 200人の候補者から鈴木老人役に選ばれた五十嵐信次郎さんは、何を隠そう、ミュージシャンとして活躍するミッキー・カーチスさん。普段はノリノリでロカビリーを奏でるカーチスさんだが、今作では仕事をリタイアして久しい、独り暮らしのカタブツ老人を好演している。また、ニュー潮風にほれる理系女子・佐々木葉子を伸びやかに演じるのは吉高由里子さん。普段の舌足らずなしゃべり方が、ロボットのことになると目がキラキラ輝き冗舌になる“ぞっこんぶり”には恐れ入る。そのほか、濱田岳さん、お笑いコンビ「Wエンジン」の「チャンカワイ」こと川合正悟さん、川島潤哉さんが、木村電器の窓際社員3人にふんして場を和ませている。

 ニューASIMOに限らず、最近の二足歩行ロボットを見て、中に人が入っているんじゃないかと思ったことがある人は少なくないはず。それだけに、その思いを形にし、さらにそこに、シニア世代との関わり方をさりげなく盛り込むあたり、矢口監督の発想の豊かさには感心せずにいられない。14日からTOHOシネマズ六本木ヒルズ(東京都港区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

映画 最新記事