一青窈:震災テーマの作品でドラマ初出演 起用理由は「被災地への温かいまなざし」

NHK土曜ドラマスペシャル「それからの海」でドラマ初出演する一青窈さん
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NHK土曜ドラマスペシャル「それからの海」でドラマ初出演する一青窈さん

 東日本大震災をテーマにしたドラマ「それからの海」(NHK)が震災からちょうど1年後の3月に放送され、歌手の一青窈さんがドラマ初出演することが14日、明らかになった。番組の菓子浩チーフプロデューサーは「気負わず素直な気持ちで支援活動を続けてこられた一青さんの、被災地への温かいまなざしにとても共感しました。被災された方々と一緒に作っていくこのドラマには、一青さんの自然体な演技が欠かせないと思い、出演をお願いいたしました」と話している。

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 一青さんは「被災地には歌の炊き出しで何度か訪れましたが、もっともっと、対話という形できちんと人々の心と向き合いたいと思っていました。音楽とは別の手段で田野畑(たのはた)村(岩手県)の皆様と関わる機会をいただけて、非常にありがたいお話」と話し「地域のよみがえってゆく風景の中で、公子という一人の人間がありのままで感じたことが一人でも多くの皆様に共感していただけたら幸いです」とコメントしている。

 ドラマの舞台は岩手県沿岸の田野畑村。津波で母親を亡くした中学1年生の少女・一香(橋本麻由さん)は、腕の良い漁師で厳格な祖父・朝夫(運萬治男さん)、津波で漁船を流してしまった父・喜一(三浦誠己さん)と仮設住宅で暮らしている。そこに、数年前にこの村の海で夫を亡くした公子(一青さん)が、当時お世話になった漁師たちを心配し、小学生の息子・司を連れて訪ねてくる。一香と司、喜一と公子の心の交流を、被災地の現状を交えながら描く。原案は田野畑村を舞台にした故・吉村昭さんの小説「漁火」で「マルモのおきて」(フジテレビ)を手がけた桜井剛さんが脚本を担当する。

 主役の一香を演じる橋本さんは岩手県久慈市在住の中学2年生で182人の中からオーディションで選ばれたといい、菓子チーフプロデューサーは「震災の悲しみを受けとめつつも、何かを伝えたいという強い気持ちを語ってくれたのが印象的でした。飾らない素朴さが非常に魅力的で、震災にくじけることなく田野畑村で暮らしている中学生という今回の役どころを、等身大で表現できる方だと感じ、出演をお願いしました」と語っている。一香の友人たちも東北各地(仙台、宮古、釜石、遠野、盛岡、田野畑、久慈)で行ったオーディションで選ばれ、撮影もすべて田野畑村で行われたという。

 ドラマは総合テレビで3月3日午後7時半~8時43分放送。(毎日新聞デジタル)

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