吉永小百合:極寒の礼文島で若手との共演に「胸がいっぱい」 

映画「北のカナリアたち」のクライマックスシーンの撮影に臨んだ(前列左から)宮崎あおいさん、吉永小百合さん、満島ひかりさん、(後列左から)勝地涼さん、松田龍平さん、森山未來さん、小池栄子さん
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映画「北のカナリアたち」のクライマックスシーンの撮影に臨んだ(前列左から)宮崎あおいさん、吉永小百合さん、満島ひかりさん、(後列左から)勝地涼さん、松田龍平さん、森山未來さん、小池栄子さん

 女優の吉永小百合さん主演の東映創立60周年記念映画「北のカナリアたち」(阪本順治監督)のクライマックスシーンの撮影が北海道の礼文島で行われたことが17日、明らかになった。バラバラになった先生と教え子が、20年の時を経て思い出の島の学校で再会するというシーンの撮影に、宮崎あおいさん、森山未來さん、松田龍平さん、満島ひかりさん、小池栄子さん、勝地涼さんという今を時めく若手俳優6人が集結。マイナス11度の強風が吹き荒れる過酷な環境での撮影となったが、吉永さんは「(合唱の練習時に)指揮をする私を6人がまっすぐ見てくれて、もうそれだけで胸がいっぱいになって泣きそうになりました。みんな可愛くて、役ではなく私、個人としてもハグしたくなります」と思いを明かした。

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 「北のカナリアたち」は、北海道の礼文島、利尻島を主要な舞台に、20年前に離島の小学校教師として合唱などを教えていた主人公・川島はる(吉永さん)が、最後の教え子が起こした事件を知り、教え子たちと再会を果たすが、それをきっかけに当時のある事故の謎が浮かび上がってくるという壮大なヒューマンサスペンス。映画化され大ヒットした「告白」で知られる湊かなえさんの原案を、「大鹿村騒動記」などの阪本監督がメガホンをとり、映画「劔岳 点の記」の木村大作さんが撮影を担当。脚本は「霧の子午線」「北の零年」などの那須真知子さんが手がける。

 宮崎さんら6人がはるの最後の教え子役を演じるほか、はるの夫を柴田恭兵さん、はるの父を里見浩太朗さん、島に赴任してきた警察官を仲村トオルさんが演じる。また、本作では子供たちの歌う「歌」が物語の重要な要素になるといい、“天使の歌声を持つ子役オーディション”と題した一般公募で、全国3100人から選ばれた6人が教え子たちの幼少期を演じるという。

 撮影は11年12月2日に札幌でクランクインし、11日からは礼文島で宮崎さんらと撮影に臨んだ吉永さん。「俳優をやっていなかったらこんなすてきな教え子たちに出会えなかった」と大感激。「監督や多くのスタッフとはじめてですが、心が通い合っているいい現場です。これをずっと続けていきたいです」と力を込めた。

 一方、宮崎さんは監督から「吉永さんとのシーンは目を見ないでお芝居してほしい」と言われたといい、「本当は目を見て気持ちを共有したいんだけど、それができない。その葛藤がありました」と振り返りながらも、「歌の練習で先生の目を見られたんですが、涙が出るくらい幸せでした。共演シーンでカットがかかった後に、吉永さんがハグしてくれて。寒い現場ですが、あたたかい現場です」と笑顔を見せた。

 吉永さんは、「今回の作品は現在と過去が交互に出てくるシナリオになっているのですが、20年前の子供たちとのところは第1幕、現在の若者6人のところが第2幕、映画を見終わったら、それから第3幕が始まるような感じになると思います。再生というか、明日に向かって新しい第一歩を踏み出していくような新しいジャンルの映画になるのではと思っています」と作品への手応えを語った。

 映画は12年秋以降公開予定。(毎日新聞デジタル)

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