松山ケンイチさん主演で始まった大河ドラマ「平清盛」。岡田将生さんが演じる源頼朝が振り返る形で、「時代の寵児(ちょうじ)」として“覇者”になった平清盛と、平氏一門の栄枯盛衰を描く……という内容だ。兵庫県知事の「汚い」発言でリアルを追求したその演出が注目を浴びたが、内容については人気の戦国時代や幕末と違って今一つピンとこない上に、同じ姓の人が多くてよく分からない……とお嘆きの方も多いはず。そこで楽しむ上でのキーマンを紹介する。
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清盛の誕生は、伊東四朗さん演じる白河法皇の治世も晩年の時代だ。平氏は、祖父の正盛(中村敦夫さん)、父の忠盛(中井貴一さん)と有能な当主が続き、家は栄えた。ドラマでは優れた父に反発した子として描かれる清盛は、海賊討伐や地方に赴任して行政の経験を積み、男盛りの36歳で家を継ぐ。そして3年後、崇徳上皇(井浦新さん)と後白河天皇(松田翔太さん)が皇位を争った「保元の乱」(1156年)、貴族の権力争いに端を発した「平治の乱」(1159年)を勝ち抜き、武士としては初めて最高位の「太政大臣」(就任1167年)になる。
破天荒でエネルギッシュな人物として描かれる清盛だけに、その周囲の人物も個性豊かだ。まず第1話から清盛を徹底的に認めようとしないのが、豊原功補さんが演じる叔父の忠正で、後に清盛と敵対する。逆に弟の家盛(大東駿介さん)は、平氏の後継者と見られながらも清盛を支え、上川隆也さんが演じる漁師の子・鱸丸(すずきまる)も、平氏の養子となって平盛国と名乗り、清盛をいさめる忠臣になる。
平氏のライバルという位置付けの源氏は、落ち目というのがポイント。源氏の絶頂期は、源為義(小日向文世さん)の祖父で伝説の名将・「八幡太郎」義家の時代だった。為義が出世街道を進む平氏に向ける異常なライバル心は、そんな背景がある。その落ち目の源氏の中で、清盛に立ちはだかるのが玉木宏さんが演じる義朝だ。
この義朝自身も有能な武将だが、後に鎌倉幕府を開いた頼朝(岡田さん)や、平氏を滅ぼす原動力となる義経(キャスト未発表)ら優れた息子がいる。そして特に長男の義平(キャスト未発表)は、「悪源太」の別名を持つほど武勇に優れており、戦いで清盛を苦しめたのはもちろん、負けてもなお起死回生の暗殺をたくらんだ。キャストは誰か、ドラマに登場するかも含めて注目だろう。
天皇家のキーマンの1人目は、伊東さんの迫力あふれる演技で話題を呼んだ白河法皇。2人目は孫の鳥羽上皇(三上博史さん)で、妻を奪われて泣くなど頼りなさそうに見えるが、白河法皇の死後は政権を牛耳る実力者として君臨する。3人目は鳥羽上皇の実の子で、松田さんが演じる雅仁親王(後白河天皇)。ドラマでは「うつけものでわがまま」という設定だが、兄の崇徳を追い落とし、清盛の前に立ちはだかる最強のライバルになる。
貴族ではまず、藤原摂関家に連なる2人の人物に注目で、藤原摂関家当主の長男・忠通(堀部圭亮さん)と、切れ者で「悪左府」の異名を持つ弟・頼長(山本耕史さん)がカギになる。忠通は、有能な弟に対抗するために新興の貴族勢力を取り込もうとし、それが保元の乱の原因の一つになる。
そして、阿部サダヲさんが演じる信西は中盤のキーマンだ。清盛に交易を説き、さまざまな改革を断行する時代の先駆者だが、他の貴族の反発を招き、清盛の危機を作ってしまう。もう一人は、信西のライバルで、平治の乱で源義朝と手を組みながら結果として源氏敗北の原因を作った藤原信頼(のぶより)だ。こちらも大河への登場の有無、配役ともに不明だが、まぎれもないキーマンの一人。野心家で大乱を起こしながら命を惜しんだともいわれる人物で、登場すれば視聴者に抜群のインパクトを残すこと間違いなしだ。
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