はじめの1巻:「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」 思春期の悩みをオーバーに描く

谷川ニコさんの「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」(スクウェア・エニックス)1巻の表紙
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谷川ニコさんの「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」(スクウェア・エニックス)1巻の表紙

 1巻が発売されたコミックスの中から、編集部と書店員のお薦めマンガを紹介する「はじめの1巻」。今回は、「ガンガンオンライン」(スクウェア・エニックス)で連載、もてない女子高校生の悩める日々を描いた谷川ニコさんのギャグマンガ「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」です。

ウナギノボリ

 中学生時代、女子高生は「人生で一番もてる時期!」と考えていた15歳の黒木智子。しかし現実は、もてるどころか、高校に入学して2カ月たっても同級生とまったく会話をしていない。男女で仲良く話をしているクラスメートを見て「男のことしか考えていないバカ女」「バカ女と一緒にいる男なんてどうせクズ」「あんなやつらと群れるくらいなら“ぼっち”でいい」と心の中で強がりながらも、友達や彼氏を作るために努力を始めるが、それはどこかピントがずれていて……という物語。

 ◇編集部からのメッセージ ガンガンJOKER編集部 木内隆之さん 「嫌われているのではなく勘違い」

 このマンガはモテない女子高生の日常を描いたギャグマンガです。

 主人公の黒木智子は決してネガティブではなくポジティブなんだけど、智子の考え方がちょっとぶっ飛んでる感じが非常に面白く描かれています! このマンガを作るにあたって重要視していることは、智子を「嫌われているキャラ」にするのではなく、周りの人たちは「みんな優しい」という状況を作って、智子のみが変な勘違いをしている……という部分を守って作っています。

 智子のビジュアルにも非常に苦労しました。すごく可愛いビジュアルにしても読者のみなさまに受け入れられないでしょうし、可愛くなさ過ぎても受け入れられないかと思ったので、智子は表情豊かなキャラクターにして、読者のみなさまに行動や表情で可愛いと感じてもらえればいいなと思い、なるべくリアクションの大きいキャラクターにしました。

 「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」は誰しもが思春期に経験したことのある、友達作りや恋愛などの悩みなどがちょっとオーバーに描かれていますが「分かる!」「あるある!」などの要素が含まれていて非常に楽しめるギャグマンガになっています。読んでいてつらいなどと思わず、気軽に読んでニヤリとしてくれれば幸いです。ぜひみなさま応援の方よろしくお願いします。

 また、1巻をご購入してくださったみなさま、海外の「2ちゃんねる」的な掲示板で盛り上げてくれたみなさま、今後ともこの作品をよろしくお願いします!

 ◇書店員の推薦文 ひょうたん書店西田本店 筒口征洋さん 「過去の失敗が次々と脳裏に」

 過去の失敗が次々と脳裏によみがえり、「ぐああああ! 痛い痛い痛い!」と心の悲鳴が止まらない作品です。けど、目が離せずに一気に読んでしまいました。年ごろの女の子が右往左往して慌てたりぼやいたり、ゲームに逃避したりする姿は確かにコミカルですが、人間関係での失敗というのは、誰もが大なり小なり体験しているはず。そのため、大いに笑った後に、他人ごととは思えないくらい共感できる作品です。とりあえず彼女には「大丈夫! 人生なんとかなるから!」と言ってあげたいですね。

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