来日中のマーティン・スコセッシ監督が17日、自身初の3D映画となる最新作「ヒューゴの不思議な発明」の公開を記念し、映像業界を目指す大学生や専門学校生ら150人を前に特別講座「スコセッシ監督の一夜限りの白熱教室」を東京都内の劇場で行った。スコセッシ監督は、「みなさんには何か新しいことができる機会が与えられています。私たちは何か新しいことをしました。今度はみなさんで映画を再発明してほしい」と呼びかけ、「私に言えるのは、自己表現の方法を見つけるのがどんなに困難であっても、映画への情熱と決意を持ち続けること。『それしかない』というくらい、クレイジーなまでにやらなければならい。それくらいの決意が必要だ」と学生たちへ熱いメッセージを送った。
ウナギノボリ
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「ヒューゴの不思議な発明」は、ブライアン・セルズニックさんのベストセラー小説が原作。1930年代のパリを舞台に、駅の時計台に隠れ住む独りぼっちの少年・ヒューゴの冒険を“映画の父”として知られるジョルジュ・メリエスの半生を軸に3Dで描くスコセッシ監督のあふれるほどの“映画愛”と“映画へのオマージュ”が詰め込まれたファンタジー作品。エイサ・バターフィールドさん、クロエ・グレース・モレッツさん、ジュード・ロウさんらが出演する。製作はジョニー・デップさんが担当。第84回アカデミー賞では作品賞、監督賞など11部門にノミネートされている。
会場には、あこがれの巨匠と対面できるとあって、手作りの横断幕を掲げる学生らの姿も。盛大な拍手で迎えられたスコセッシ監督は、「サンキュー、サンキュー、ありがとう」と何度も礼を述べ、今作の感想を述べた学生から、「(劇中に登場する)人形がオスカー像に見えたので、(アカデミー賞受賞は)いけると思います」と太鼓判を押されると、「ハッハッハッ」と笑うなど終始にこやかで、映画を撮った経験があるかどうか、学生らに問いかける場面もあった。
作品のテーマ選びについての質問には、「数年で理解されなくなるようなものには興味がない。振り返ってみると、物語に関しては人間として基本的な要素、信頼と裏切り、罪と責任といったことを考えてきたように思う。(自身の作品が)今でも将来でも普遍的であってほしいと思っているよ」と回答。「想像力の源は?」との質問には、「想像力は自分の中にあるもの。映画を作るときには、子供のころのイマジネーションに戻るんだ。そういった意味でも、今回の作品は特別になったね」と話し、「必ずまるで子供が遊んでいるように、子供のころに自分が頭の中でどういったことを考えていたかというところに戻って、興奮して、また、文句を言いながら映画を作っているんだ」とユーモアを交えながら丁寧に答えていた。
「ヒューゴの不思議な発明」は、3月1日から公開。(毎日新聞デジタル)
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