雑誌大賞:第3回グランプリは「SPUR」 「ジョジョ」荒木飛呂彦の描き下ろし表紙で

第3回「雑誌大賞」グランプリに輝いた「SPUR」の内田秀美編集長(中央)とプレゼンターを務めた剛力彩芽さん(左)
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第3回「雑誌大賞」グランプリに輝いた「SPUR」の内田秀美編集長(中央)とプレゼンターを務めた剛力彩芽さん(左)

 雑誌のプロが一番すごかった雑誌を選ぶ第3回「雑誌大賞」の発表・贈賞式が26日、電通ホール(東京都港区)で開催され、グランプリにマンガ「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズで知られる荒木飛呂彦さんが表紙を描き下ろした女性ファッション誌「SPUR(シュプール)」(集英社)の11年10月号が輝いた。準グランプリには「いまこそ知りたい、イスラム」を特集した「Pen」(阪急コミュニケーションズ)11年8月15日号が選ばれた。贈賞式には、ゲストとして女優の剛力彩芽さんが登場し、受賞者らにトロフィーを手渡した。

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 雑誌大賞は、雑誌業界の活性化を促すため、11年2月に設立。半年に1度、雑誌のプロである100誌の編集長と100人の書店員が「この一冊はすごかった」と感じた雑誌に投票することによって選定される。第3回の今回は11年7~12月に刊行された雑誌が対象となり、「グランプリ」「準グランプリ」「TREND MAKE MAGAZINE賞」「雑誌新人賞」が発表された。

 グランプリに選ばれた「SPUR」10月号は、画業30周年を迎えた荒木さんが、ブランド創設90周年の「GUCCI(グッチ)」とのコラボレーション作品として描いた「岸辺露伴 グッチへ 行く」が特別付録となり、荒木さんのインタビューもカラー見開き2ページで掲載。人気マンガ家のイラストが女性ファッション誌の表紙を飾るというインパクトで、普段ファッション誌を手に取らない層や男性からも注目され、新しい読者層を開拓したとして票が集まった。

 「SPUR」の内田秀美編集長は「一生心に残る企画だった。チームワークのたまもので取れた賞で2倍うれしいです」と喜び、「当初はイラストが表紙になる予定ではなかった。でも、『こんなにきれいな絵があるのに、どうして表紙にしないの?』ともう1人の自分が言った。表紙は雑誌の玄関。たくさんの人にその扉を開けてもらえた」と振り返った。荒木さんは「(表紙になったのは)本当に光栄で、仕事もすごく楽しかった。女性ファッション誌の表紙を僕が飾るのがあり得ない。『え、本当に描いていいの?』と思いました。描く前に美容院に行ったくらいです。本当におめでとうございます」とビデオメッセージで祝福した。

 準グランプリの「Pen」11年8月15日号は、日本人になじみの薄いイスラムを歴史や文化、芸術などを多角的に紹介していく編集技術が大きな票を集めた。同誌の安藤貴之編集長は「僕らのライフスタイルマガジンにはふさわしくないと疑問の声もあったがとてもうれしく思う。思い出深い特集」と話した。世の中で話題になったものや人、言葉、情報の発信源となった雑誌に贈られる「TREND MAKE MAGAZINE賞」には、歌手のきゃりーぱみゅぱみゅさんをストリートスナップで取り上げた女性誌「KERA」(インデックス・コミュニケーションズ)と、きゃりーぱみゅぱみゅさんをいち早く表紙に起用し、連載も開始した女性誌「Zipper」(祥伝社)が選ばれ、きゃりーぱみゅぱみゅさんは「ファッションとメークが大好きな自分としてはこの賞はとってもうれしい、すごく幸せです」とビデオメッセージで語った。

 期間中に創刊され、最も世間をにぎわせた雑誌に贈られる「雑誌新人賞」には、11年12月3日に創刊された「最強ジャンプ」(集英社)が輝き、伊能昭夫編集長は「名前の通り最強の内容でお届けしたいのが一つ。最強になりたいという編集部の強い思いを込めてこの名前にしました」と雑誌名の由来を語り、「少子化の荒波の中の船出になりましたので、強くなきゃいけない。名前に恥じない雑誌にしたい」と意気込んだ。贈賞式で初の単独プレゼンターを務めた剛力さんは「すごく緊張したけれど、楽しかったしうれしかった。雑誌は、たくさんの方に見てもらうための努力がいっぱい詰まっていると思う」と受賞者たちを笑顔でたたえていた。 (毎日新聞デジタル)

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