アニメ質問状:「エリアの騎士」 貴重な王道スポーツアニメ 動いてナンボのアドリブを

(C)伊賀大晃・月山可也・講談社/テレビ朝日・シンエイ動画
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(C)伊賀大晃・月山可也・講談社/テレビ朝日・シンエイ動画

 話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、スター選手だった兄の心臓を受け継いだ少年のサッカーに懸ける情熱を描いた「エリアの騎士」です。監督の小倉宏文さんに作品の魅力を語ってもらいました。

ウナギノボリ

 −−作品の概要と魅力は?

 作品をご存じないみなさんは「エリアの騎士」というタイトルを聞かれると、中世の歴史スペクタクルなどを想像される方もいらっしゃるかと思いますが、れっきとしたサッカーアニメです! 言うなればいわゆるスポ根に属するわけですが、そこはさすがに平成の世の作品、まったく汗臭くありません!! 美少年、美少女いっぱい出ます(笑い)。でもすごいちゃんとサッカーします。今時貴重な王道スポーツアニメです。

 主人公の逢沢駆は、サッカーの天才だった兄を交通事故で失い、自らも瀕死の重傷を負い、あげく兄の心臓を受け継ぐという、大変過酷な運命を背負っていますが、全然ひねくれてません、超いい子です! 夢に向かって真っすぐに進んでいく駆を絶対応援したくなっちゃうと思います。そんな駆が可愛いヒロイン、かっちょいいライバルたちと、サッカーを通して一歩一歩階段をのぼっていく姿をぜひ見てほしいと思います。

 −−制作決定の経緯と、アニメにするときに心がけたことは?

 製作決定の経緯…それは…………………………決まってからお声がけいただいたので知りません!! でもたぶん、みんな素敵な原作に出会ってしまい、作りたくなっちゃったんですよ、絶対そうだと私は信じています!

 アニメ化に際して心がけたことは、マンガをそのまま動画にしないということです。原作者の伊賀(大晃)・月山(可也)両先生とお会いしてお話をうかがった時に、先生方の中に(マンガという媒体の性質上)再現できなかった、やりたかった、やってみたいことがいろいろあるのだなと分かりました(勝手な思い込みでしたらごめんなさい〈汗〉)。そこでせっかくアニメにするのなら、そういう要素をどんどん盛り込んでいこうと考えまして、アニメはもちろん動いてナンボ、音が出てナンボですから、その方面からできるアドリブを結構自由にやらせていただいてます!!(感謝)

 −−作品を作るうえでうれしかったこと、逆に大変だったことは?

 一番うれしかったことは、アニメ化が発表されたときに、たくさんの原作ファンの方から、楽しみにしているという声が聞こえてきたことです。燃えました!!

 大変なことは、アニメは大変じゃないこと一つもないので(笑い)あれですが、とにかく一番は登場キャラが、でえれえぎょうさん…ゴホン、失礼…とてもたくさんいることです。なにせ試合に勝つたびに新しい対戦相手として新キャラがダース単位で出てきますから(悲鳴)顔と名前を把握する作業はまるで初めて担任を持った新人教師を彷彿(ほうふつ)とさせます。アニメーターも描き分けに相当苦労してると思います(ごめんなさい…)あれだけのキャラを週刊ベースで生み出してる月山先生のすごさを再認識してます!!

 −−今後の展開、読者へ一言お願いします。

 男女問わずサッカーというスポーツが、大人気になっている今の日本。そしてそんな時代にタイムリーに放映されている「エリアの騎士」。どんどん盛り上げていきたいと考えています。これから江ノ島高校はインターハイ、さらに高校選手権と強敵を相手に戦いをくりひろげていきます。新しいライバルもたくさん登場します。そんななかで、主人公・駆、ヒロインの奈々、そして江ノ高の仲間たちがどんな成長をしていくのかをぜひご覧ください。もちろん、選手たちのプライベートなども時間が許す限り描いていきます。アニメでしか見られない貴重なシーンも……ムフフ。そして、当作品のもう一つの売りであるなでしこジャパンの活躍ももちろん描いていきます。駆だけでなく奈々の活躍もお楽しみに! みなさん、土曜の朝は早起きよろしくお願いします!!

 監督 小倉宏文

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