66~71年に全米で放映され、カルト的な人気を誇ったテレビシリーズを、ティム・バートン監督、ジョニー・デップさん主演・製作で映画化した「ダーク・シャドウ」が19日、公開された。魔女をふったばかりにバンパイアに姿を変えられ生き埋めにされてしまった、金持ちでプレーボーイのバーナバス・コリンズ(デップさん)。200年後の現代によみがえった彼が目にしたものは、没落した末裔(まつえい)たちの姿。そのあまりの堕落ぶりに衝撃を受けたバーナバスは「家族こそが本物の宝」との父の教えを胸に、現在の当主エリザベス(ミシェル・ファイファーさん)らと力を合わせ、コリンズ家再興を目指すのだが、またも魔女が行く手を阻み……というストーリー。
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コメディーだと思っていたので、いい意味で裏切られた。陰鬱な空気はオープニングから途切れることなく、バーナバスがバンパイアに姿を変えられてしまう場面や200年ぶりによみがえる場面では、血生臭さにゾクゾクさせられた。そのくせ、バーナバスの言動は現代の常識と微妙にズレており、それを平然とやってのける様子が痛々しくもおかしい。
共演は、バートン作品にはおなじみのヘレナ・ボナム・カーターさんに加え、バートン監督とは92年の「バットマン リターンズ」で組んだファイファーさん、いま注目のクロエ・グレース・モレッツさんなど多彩な顔ぶれ。その、ファイファーさんとモレッツさんの“母娘ツーショット”は、これ以上ないほどつやっぽく、ボナム・カーターさんは、相変わらずの怪演が楽しい。さらに、魔女役のエヴァ・グリーンさん(「007/カジノ・ロワイヤル」など)は、おぞましい演技が心底憎らしく、彼女らを相手に立ち回る白塗りデップさんが、これまたチャーミングだ。
デップさんとバートン監督のタッグは、90年の「シザー・ハンズ」から数えて8作目。バートン監督がデップさんについて「彼は常に新しいアイデアを思いつく。だから何作一緒に作っても楽しいし、新鮮なんだ」と語っているが、今作は、まさにその言葉が具体化された作品といえる。19日から丸の内ルーブル(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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