俳優の渡部豪太さんが、NHK大河ドラマ「平清盛」の第24回「清盛の大一番」(17日放送)から初出演している。松山ケンイチさん演じる主人公・平清盛の次男・平基盛を熱演しており、「僕は基盛だったんじゃないかと思う。生まれ変わりだと信じている」と運命を口にする。クランクアップを直前に控えた渡部さんに、初めての大河の現場で感じる率直な思いを聞いた。(毎日新聞デジタル)
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大河ドラマには「いつかは出たい。いつかは出るもの」と考えていたという渡部さん。出演が決まった際には、「ああ、やっと出られるんだ」と思ったと明かす。途中から現場に参加することもあり、「最初は戸惑いもありましたし、手探りでした」としながらも、「松山ケンイチさんはじめ、豪華なキャストのみなさんに支えられ、みなさんと同じ空気を吸って、日に日に平基盛という役を肌で覚えていくような日々でした」としみじみと振り返る。
「NHKの建物に入った瞬間に身が引き締まりますし、その奥にあるスタジオには重い扉があって、それを開くとタイムスリップができるというか、今回だと平安の時代に行ける。大きな仕事ですけど、ある種のアミューズメントというか、決して誰もが経験できることじゃない。それは毎日感じてますね」と語る渡部さん。衣装やセットなどの美術にも力が入っているが、スタッフの熱意もひしひしと感じている。「“力持ち”のスタッフさんがいると役者は楽なんですよね。身をゆだねるだけだったり、カメラの前で何も気にせず“踊る”だけなので。演技の助けになってますね」と独特の言い回しで現場の雰囲気を語る。
渡部さんが演じる基盛は、清盛の先妻・明子(加藤あいさん)の子で、幼少時に母を亡くし、兄・重盛とともにたくましく育つ。しっかり者の兄・重盛とは対照的に、おおらかな性格で要領がいい。保元の乱で初陣を飾り、平治の乱では源氏と戦って勝利に貢献。蔵人に任ぜられた後、国守を歴任する。父とぶつかることが多い嫡男・重盛を弟の立場から、明るく優しく支える……という役どころだ。
基盛を演じることについて、「僕はとても運命のようなことを信じていて、僕は基盛だったんじゃないかと思うんですよね。生まれ変わりだと信じてます」と言い切る。「この時代に、基盛にまた戻ることができて、キャストやスタッフのみなさまに出会えたことはとてもうれしいことですね。それが一つの宝です」と語る。基盛との共通点は、「歯車の一つとなることに喜びを感じるところかな」と分析。父・清盛の跡を継ぐ長男・重盛を疎ましく思うのではなく、兄を慕い、寄り添っていたいという姿勢に共感すると明かしていた。
大河ドラマは「とても厳粛な現場だと思う。歴史のある長く続いている場所に、自分の身を置けることは、とても素晴らしい経験。自分の中にとても大きな実を宿したというか、とても大きな宝物になっているので、これからの仕事に生かしていきたい。これからも、このモチベーションを忘れずに、もっと頑張っていきたいですね」と笑顔で語っていた。
「平清盛」は、武士が貴族たちから差別されていた時代、武士の新興勢力・平氏の元で育てられた少年が、瀬戸内海の海賊を束ねて“武士の王”となり、貿易こそがこの国が豊かになる道だと人々に説く……という物語。平清盛(松山ケンイチさん)は白河法皇(伊東四朗さん)の“落胤(らくいん)”で、忠盛(中井貴一さん)が養子にしたという設定で描かれる。総合テレビで毎週日曜午後8時から放送中。(毎日新聞デジタル)
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