風、薫る:注目度の瞬間最高は73.3% ピークは看病婦との対立の雪解け感じさせた5分間 第45回を振り返る

連続テレビ小説「風、薫る」のメインビジュアル (C)NHK
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連続テレビ小説「風、薫る」のメインビジュアル (C)NHK

 俳優の見上愛さんと上坂樹里さんがダブル主演を務めるNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「風、薫る」(総合、月~土曜午前8時など)の第45回(5月29日放送)で、視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者のうち画面にクギヅケになっていた人の割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、ピークは午前8時12分の73.3%だった。

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 「風、薫る」は、大関和(おおぜき・ちか)と鈴木雅(すずき・まさ)という2人のトレインドナース(明治時代に正規に訓練された看護師)をモチーフに、同じ看護婦養成所を卒業した2人が、患者や医師たちとの向き合い方に悩み、ぶつかり合いながらも成長し、やがては“最強のバディー”になっていく姿を描く。見上さんが一ノ瀬りん、上坂さんが大家直美を演じる。

 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」(関東地区、速報値)。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。

 ◇寛太から“母親”の情報を聞く直美

 第45回は、直美(上坂さん)が吉江(原田泰造さん)の教会で、寛太(藤原季節さん)と会う。母親と思われる「夕凪」についての話を聞く。一方、病院では、フユ(猫背椿さん)がりん(見上さん)に手術介助を教えてもいいと言い出す。それに呼応するように、少しずつ看病婦と看護婦見習い生の関係が変わり始める。

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 この日の注目度は、主題歌が流れるオープニングの終了後、ゆっくりと上昇し始め、中盤から終盤にかけてピークを作った後は次第に下降するグラフとなった。大きな“山”を一つ描くタイプで、しかも“山”の“頂上”部分が5分間も続く、あまり見ないグラフとなった。

 ◇看病婦と看護婦見習い生 関係の変化を描いた5分間

 第45回のグラフの“頂上”は、70%超えが続いた午前8時8分から午前8時12分の5分間。第9週「看病婦とアメ」のテーマでもあった、看病婦と看護婦見習い生の関係が大きく変わり始めたことをまさに描写した5分間だった。

 約4ポイントもいきなりジャンプアップし71.0%を記録した午前8時8分は、フユが詰め所で、りんに手術介助を教えてもいいと言い出した場面の直後から。看病婦の仲間が驚くなか、フユは「だって、私が楽になるって気が付いたから」と言うと「アメ、喜んでた。主人が。ありがとう」とりんに淡々と伝える。笑顔を見せないようにと硬い表情を無理に続けているフユの演技が印象に残る。

 続く場面で、久しぶりに顔を出したバーンズ先生(エマ・ハワードさん)が病院内の様子を見て回り始める。まず、第43回で「私ね、子供ができなくて離縁されたんです」と打ち明けていた泉喜代(菊池亜希子さん)に対して、これまで対立していた看病婦の三浦ツヤ(東野絢香)が「あの、私もです。子がなくて離縁されて。お金のためにここで」と打ち明ける。それを受けた喜代の返す言葉がいい。「お金のために……。それだけかしらね?」。目を潤ませるツヤと、やさしく見守る喜代の会話が午前8時9分台まで続き、注目度はさらに72.8%まで上昇する。

 午前8時10分(72.6%)は柳田しのぶ(木越明さん)がガーゼを丁寧にはさみで切り分けていると、看病婦の須永ヨシ(明星真由美さん)が、はさみで切りこみを入れ、そこを一気に手で割く方法をやって見せる。ヨシはしのぶに「金持ちの子か!」などと相変わらず憎まれ口をたたくが、しのぶも負けていない。仲間として認め合う部分が2人にも生まれてきた感じが伝わってきた。

 午前8時10分の後半から午前8時11分(72.8%)は、りんが手術室で手術の介助に当たっている場面。もちろん、フユがまだ付き添い、迷うりんに的確な指示を送る。手術を終え、道具を片付けながら、2人は会話する。「フユさん、この仕事、嫌いなんてもったいないです」と言うりんに、フユは「好きじゃないけど、できるだけ。嫌いってほどでは、なくなったけど」と言って笑みを浮かべる。「嫌い」じゃなくなったのは、りんと直美のおかげなのだろう。

 ◇ピークはバーンズ先生の「good!」

 そして“頂上”の5分間でも少しずつ増えていた注目度は午前8時12分でこの日の最高値73.3%に達する。

 「この仕事はね、家事だと思ってやらないと間違えるよ」。午前8時12分は、フユがりんに伝える、そんな謎の言葉から始まる。りんは「看護は命に関わる仕事で、家事とは……」と反論するが、フユはそれ以上、何も言わず去っていく。

 続く場面は、受け持ち患者の死期が近いことを感じて泣いている東雲ゆき(中井友望さん)を、工藤トメ(原嶋凛さん)がなぐさめている。その様子もバーンズ先生が見ている。

 そして、その夜。寮で食事する看護婦見習い生たちに「今日、久しぶりに病院に行ったら変わっていましたね」と語りかけると、それぞれに微笑みながら「good!」の言葉を贈る。この5分間の締めにふさわしい、goodな場面だった。(文・佐々本浩材/MANTANWEB)

「風、薫る」人物相関図が大きく様変わり 第7週から病院実習スタート

連続テレビ小説「風、薫る」の人物相関図(C)NHK
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