サッカー欧州選手権:準々決勝「イングランド対イタリア」奥寺康彦が予想 ピルロに注目

イタリアのアンドレア・ピルロ選手 写真:Action Images/アフロ
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イタリアのアンドレア・ピルロ選手 写真:Action Images/アフロ

 欧州サッカー王者を決める「サッカー欧州選手権(UEFA EURO 2012)」の決勝トーナメント準々決勝第4試合イングランド対イタリアが24日深夜3時半(日本時間)に行われる。決戦を前に、WOWOWの番組で解説をするサッカー元日本代表の奥寺康彦さんに見どころを聞いた。

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 イングランドとイタリアはともにサッカー大国だが、奥寺さんは「イタリアに分があるだろう」と予想する。奥寺さんが注目しているのはイタリアのアンドレア・ピルロ選手で、「いい選手という印象はあったが、33歳になってなお、あそこまで走ってチームに貢献できる選手だとは思っていなかった。初戦(スペイン戦)のアシストも、ディフェンスに時間を費やしながらも速攻と遅攻を意図して効果的にチョイスしていたね。ボールを持つと大きな仕事をすることも証明した。2戦目(クロアチア戦)なんて本当にノーミスで、フリーキックまで決めた。完璧な内容だったと思う」と絶賛する。

 さらに、イタリアのチームとしての強さについて「ピルロや(ダニエレ・)デ・ロッシらを中心に、イタリアはズルズルと最終ラインを下げずに高く保って、とにかく中盤からボールに対して早く寄せる。それに尽きる。ハードワークではあるけれど、それを90分間継続できる強さと頭のよさが備わったチームだよね。ここまで完成度か高いとは、正直思ってなかった」と語る。

 一方、イングランドについては「予選の結果だけを見ると問題は見当たらない。(ウェイン・)ルーニーも帰ってきたのは確かに好材料ではある。復帰していきなりスコアするなど、彼にはやはり特別な存在感あるからね」と話しつつ、「実際にゲームを分析してみると、彼らの強さが一番発揮できるゲーム構築ができているかといったら、ノー」と断言。奥寺さんは、イングランドの現状を「本来は(スティーブン・)ジェラードがゲームを作るはずなのだろうけれど、ディフェンスに時間を取られたり、ボールキープに腐心せざるをえなかったりと、ゲームメークまでに手が回らない」と分析する。

 「イングランドが上昇するために必要なこと」を聞いてみると、「ルーニーが点を取ること、ジェラードが指揮を執ることにそれぞれ集中することができれば、タレントは豊富なのだから、トーナメントを上っていける可能性は小さくない」と話しながら、「ただ、グループリーグ3試合を見た限りは、正直苦しいと思う」と芳しくない現状を強調。「ホジソン監督が大きなテコ入れをしてくるのか、スターティングチョイスや戦術にも注目したい」と期待を寄せていた。

 「サッカー欧州選手権」は、欧州サッカー連盟(UEFA)が主催し、1960年から4年に1度、欧州の代表チームによって争われる大会。16チームが4組に分かれてグループリーグを戦い、各グループ上位2チーム、合計8チームが決勝トーナメントに進出する。今大会はポーランドとウクライナの共同開催で、8日に開幕した。WOWOWでは、7月1日の決勝まで全31試合をハイビジョンで生中継している。

 奥寺さんも注目する準々決勝第4試合「イングランド対イタリア」は、24日深夜3時半から、WOWOWプライムで生中継。(毎日新聞デジタル)

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