グリム童話でおなじみの「白雪姫」を、ジュリア・ロバーツさんが出演して映画化した「白雪姫と鏡の女王」(ターセム・シン・ダンドワール監督)が14日に封切られる。主演といってもロバーツさんは、白雪姫をいじめる継母の女王役。肝心の白雪姫役を演じるのは、ミュージシャンのフィル・コリンズさんを父に持ち、先ごろ公開されたサスペンスアクション「ミッシングID」で主人公の相手役を演じたリリー・コリンズさん。初の主演作である今作について、7月の来日の際に話を聞いた。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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ディズニーアニメの「白雪姫」は大好きで、小さいころは繰り返し見て、歌もせりふも覚えていたというコリンズさん。今回演じる白雪姫は、コリンズさんいわく「自分の力で運命を切りひらいていける女の子。途中、王子様に手を貸してもらうけれど、彼女もまた王子様を救っている、そんな自信にあふれた女の子なの」。それは「女王様に圧倒され、王子様が来てくれるのを待っているお姫様」という従来の白雪姫とはかなり趣きを異にするが、「いまの女の子にアピールする白雪姫像だと思う」と胸を張る。
ロバーツさんとの共演については「ジュリアの出演作を見て育ち、大好きだったからとても光栄なこと」と話し、「代役を立てれば済むような場面でも、ジュリアはその場にいて一緒に演技をしてくれた」など、現場での振る舞いから吸収することが多かったという。
そのロバーツさんが今回演じるのは、宝石やエステに大金をつぎ込み、王国を破綻寸前にし、金持ちの王子と再婚することで事態を好転させようとあがく女王。しかもその王子が継子の白雪姫と恋に落ちたことで、白雪姫の暗殺を家来に命じる、とんでもない“悪女”だ。「でも、リアルな(本物の)ジュリアはとっても楽しくて母親みたいに温かい人。撮影中、私が不安そうにしていると駆け寄ってきて安心させてくれたわ」と偉大な女優だが親しみを感じたという。
大変だったシーンに、アーミー・ハマーさんが演じる王子との剣を使ったファイトシーンを挙げる。4カ月特訓し、1日9時間、雪に見立てた塩の中に立ち、3~4日かけて撮影した。「アクションは初めてだったから、殺陣もせりふも忘れちゃいけない、自分はもちろん、アーミー(・ハマーさん)をケガさせちゃいけない、しかもコルセットは窮屈だし暑いしでとても大変だった。でも、私たち2人が代役なしでスタントをこなしたことは分かってもらえるはずなので、それでもう満足。もちろん、よい出来だと自負してるわ」と笑顔を見せる。
インドのミュージカル映画風に仕立てたエンディングでは、父親譲りの歌唱力も披露している。「スクリーンで歌うのはとっても緊張したけれど、同時にエキサイティングな経験でもあったわ」と度胸のよさも見せる。完成した映画を一緒に見た両親は、上映後、感動のあまりしばらく言葉を失い、「感想を聞きだすのに一苦労だった」という。それでもなんとか引き出したコメントは「リリーだということを忘れてしまっていた。白雪姫が成長する姿を見ていた気がする」というものだった。「それを聞いたときは、とてもうれしかった。だって、それこそがまさに私がやりたかったことなんですもの。これからも女優として、(物語に入り込ませるような)そういう演技を続けていきたいわ」と目を輝かせる。
連日の取材で、おそらく疲労こんぱいしていたはず。それでも笑顔を絶やさず、イスに腰掛け、「ふかふかのクッションが気持ちいい」とにっこりしていたコリンズさん。「だって笑っているほうが人生、楽しく過ごせるでしょう? それに、本当に好きなことを仕事としてやらせてもらえているのだから、こんなに幸せなことはないわ」と再び笑顔だった。
「学校で友だちといるときが一番楽しい」とも話していた23歳。次回作「The Mortal Instruments:City of Bones」(ハラルド・ズワルト監督)では、今回の剣を短剣に持ち替え、悪魔やバンパイアを相手に戦う。「どんな役でも、役者として挑戦を突きつけてくるようなものであってほしい。それが大変であればあるほど、やりきったときの喜びや達成感は大きいから」。21世紀バージョンの愛らしくもたくましい白雪姫を演じ切ったことが、女優としての自信をさらに強めたことは間違いない。映画は14日から全国で公開。
<プロフィル>
1989年生まれ。英ウエスト・サセックス州出身。5歳で米国に移住し演技を学ぶ。15歳で、ファッション雑誌「ELLE girl」(英国版)で、ハリウッドやロサンゼルスのトレンドを発進するページのデザインを担当。一方でモデルとしても活躍。映画デビュー作は09年の「しあわせの隠れ場所」。ほかの出演作に「プリースト」(11年)、「ミッシングID」(11年)などがある。現在、南カリフォルニア大学アンネンバーグコミュニケーション大学院に通学中。海外ボランティア活動などにも取り組んでいる。父はミュージシャンのフィル・コリンズさん。
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