女優の吉永小百合さんが小学校教師だった主人公・はる役で主演する東映創立60周年記念映画「北のカナリアたち」(阪本順治監督)の完成披露会見が3日、東京国際フォーラム(東京都千代田区)で行われ、吉永さんや主人公・はるの父役の里見浩太朗さん、夫役の柴田恭兵さんのほか、はるの最後の教え子の20年後を演じた宮崎あおいさん、森山未來さん、満島ひかりさん、小池栄子さん、松田龍平さんが出席した。会見では、成長した教え子たちが歌う重要なシーンのエピソードが披露され、吉永さんは「皆さんがまっすぐな目で見てくれて、何ともいえないくらい感動したんです。この場に居合わせてよかった。先生冥利という気持ちになりました」と振り返った。
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歌のシーンについて、森山さんは「単純にきれいな声ではなくて、20年をへて、どういう時間を過ごしてきたかを確かめながら、共有しながら表現した」とその難しさを語った。吉永さんと宮崎さんら6人は何度も練習を重ねたといい、小池さんは「うそのように息がそろうのを感じた。鳥肌が立つような経験でした」と振り返った。松田さんも「吉永さんに実際に指揮をしていただいて、想像が形になった。余計な芝居がいらない」と納得の様子で、宮崎さんも「吉永さんの目をきちんと見ることができて、幸せを感じました」と語った。完成したシーンについて、満島さんは「あのときの吉永さんの顔はすさまじかった。本当に神々しくて、静かだけれど強くて美しくて、あの表情は今でも覚えている」といい、「その空気があの場面には映っているんじゃないかと思います」と表現した。
「北のカナリアたち」は、北海道の礼文島、利尻島を主要な舞台に、20年前に離島の小学校教師として合唱などを教えていた主人公・川島はる(吉永さん)が、最後の教え子が起こした事件を知り、教え子たちと再会を果たすが、それをきっかけに当時のある事故の謎が浮かび上がってくるという壮大なスケールのヒューマンサスペンス。「告白」の原作で知られる作家・湊かなえさんの原案を、「大鹿村騒動記」などの阪本監督がメガホンをとり、映画「劔岳 点の記」の木村大作さんが撮影を担当。脚本は「霧の子午線」「北の零年」などの那須真知子さんが手がけている。
主人公の夫を演じた柴田さんは「吉永さんの手の上で転げられて心地よかった」と振り返り、「でも魅力が深くて1回ではとてもとても……(製作会見で)夢がかなったといいましたが、欲が出てきた。あと2、3本ご一緒したい」とラブコール。吉永さんが「アクションですか?」と振ると、「ぜひお願いします!」と笑顔で答えた。一方、里見さんは「サユリストの僕が(吉永さんの)父親役と聞いてがっかりといいましたが、実はうれしかったですよ。でもおやじになり切れるかはすごく心配でした」といい、次回の共演については「当然恋人ですよ!」と宣言し、会場を沸かせていた。映画は11月3日に公開予定。(毎日新聞デジタル)
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