女優の鈴木京香さんが、13年1月期に人気作家・湊かなえさんのベストセラー小説を連続ドラマ化する「夜行観覧車」(TBS系)に主演することが2日、明らかになった。鈴木さんが同局の連続ドラマに主演するのは08年の日曜劇場「SCANDAL」以来5年ぶり。高級住宅街に引っ越したことを機に、近所付き合いの中でのドロドロとしたいじめや崩壊していく家庭に苦悩、向かいの家での殺人事件も起こり、荒れる娘に手をかけそうになるなど壊れていく“悲惨な主婦”に挑戦する。
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鈴木さんは「一つの事件を通して三つの家族の悩みが浮き彫りになっていく過程がとても面白い。(鈴木さんが演じる)真弓という女性はどこにでもいる普通の女。良い妻、良い母であろうともがく姿をしっかり表現したい。遠い理想を追うばかりに見えなくなった家族の幸せを最終回にはしっかりと真弓につかませてあげたいです」と意気込みを語っている。
新井順子プロデューサーは「悲惨な鈴木京香さんが見られる。ぼろぼろになって、髪の毛もぼさぼさ。ぷっつんというか、娘を殺そうとまでする。落ちている感じはしますね。悲惨です。窮地に追い込まれた鈴木さんがどう頑張っていくのかという後半も見どころになると思う」と説明する。
「夜行観覧車」は、湊さんが手がけた初の「家族」小説。高級住宅地に住むエリート一家で起きたセンセーショナルな事件の動機や真相を、その家族と向かいに住む家族の視点から解き明かしていくサスペンスで、湊さんの原作小説が地上波で連続ドラマ化されるのは初めて。
ドラマでは、無理をして高級住宅街に念願の一戸建てを購入して引っ越してきた遠藤家の主婦・真弓(鈴木さん)を主人公に設定。夢がかなったはずの真弓だったが、中学受験に失敗した娘が家庭内暴力を繰り返すようになり、夫は帰宅拒否症となり、自治会長の小島家のおせっかいな妻からのいじめにも遭う。向かいに住む高橋家は、エリート一家で幸せな家庭に見えたが、そこで父親が殺される事件が発生し……という展開で、事件の真相とともに数々の困難に立ち向かいながら懸命に生きる主人公・真弓の姿を描いていく。
ドラマは、遠藤家、高橋家、小島家の三つの家族を中心に据えた。真弓を中心に、さまざまな人物の視点で描かれ、回想シーンなどもはさみ込まれ、過去と現在を行き来しながら事件の真相や登場人物たちの思いなどが徐々に明らかになっていく。新井プロデューサーは「かなり挑戦的な内容」とし、「家族を描きたかった。人間ドラマだけどサスペンス。新しいタイプのドラマになれば」と意気込んでいる。
ドラマは、映画「八日目の蝉」、劇場版アニメ「サマーウォーズ」の奥寺佐渡子さん、ドラマ「華和家の四姉妹」などの清水友佳子さんが脚本を担当。鈴木さん以外のキャストは今後、明らかにされる。毎週金曜午後10時からの「金曜ドラマ」枠で13年1月クールに放送予定。(毎日新聞デジタル)
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