13年後期のNHK連続テレビ小説のヒロインに女優の杏さん(26)が起用されることが12日、発表された。タイトルは「ごちそうさん」で、大ヒットしたドラマ「JIN−仁−」(TBS系)などを手がけた脚本家の森下佳子さんが脚本を担当する。大阪市中央区と東京都渋谷区の同局放送センターで12日に会見が行われ、杏さんは「私も食べることが大好きなので、撮影が楽しみです」と話した。
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「食」をテーマに、大正時代からスタートする物語は、食いしん坊の東京娘・卯野め以子(杏さん)がへんくつな大阪男・西門悠太郎に恋をして「くいだおれの街」大阪に嫁ぎ、激動の大正・昭和をたくましい大阪の母として生き、夫への愛を貫く半生を描く。
タイトルには、大切な客をもてなすため、馬で奔走して調達した人への感謝の言葉「ごちそうさま」の意味を込めた。その言葉は、おいしいものを食べるため、またおいしいものを食べさせるために全身全霊を傾けるヒロインの基本姿勢であり情熱もの基となった夫婦の深い愛情も表している。
ヒロインを演じる杏さんは86年生まれ、東京都出身。15歳からモデルとして活動を始め、パリコレなどの海外のショーで活躍。07年からは女優業もスタートさせ、11年には「名前をなくした女神」(フジテレビ系)で連続ドラマ初主演。11年に放送した「妖怪人間ベム」(日本テレビ系)のベラ役が話題となり、12年にエランドール新人賞や東京ドラマアウォード助演女優賞を受賞した。放送中のNHK大河ドラマ「平清盛」で北条政子役を熱演中。そのほかミュージシャンとしても活動し、エッセー集を出版するなど幅広く活躍している。
杏さんの起用理由について、岡本幸江チーフプロデューサーは「杏さんは健やかな笑顔もさることながら、好奇心とエネルギーがあふれ出す様子が『馳走』する食いしん坊のめ以子とピターッと重なりました。また作品ごとに全く違う面を見せてくれる杏さんが、少女から恋する乙女へ、愛情あふれる妻からたくましい母へ、どんな女の半生を見せてくださるのか私もわくわくしています」と話している。
NHKのドラマを初めて手がけるという脚本の森下さんは「食をモチーフに、夫婦のラブストーリーをやりませんか」という提案を受けて脚本を書き下ろし、「そうして紆余(うよ)曲折ののち、出来上がったのが食いしん坊のハイカラ娘と街を作ることを夢にしている元祖理系男子という組み合わせ。彼らが愛を育み、生き抜いていくさまを明治、大正、昭和の風俗、そしておいしそうな料理とともにお楽しみいただければと思っております」と話している。
ドラマは、13年5月にクランクインし、放送は13年9月30日から、全150回を予定している。(毎日新聞デジタル)
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