ウルトラセブン:45年越しで“ミス”発見? ハイビジョンリマスター版完成披露で

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 円谷プロダクションとWOWOWがコラボした「ウルトラ三大プロジェクト」で放送される「ウルトラセブン」ハイビジョンリマスター版の完成披露試写会が22日、東京都内で行われ、主人公のモロボシ・ダン隊員を演じた俳優の森次晃嗣さんと友里アンヌ隊員を演じた女優のひし美ゆり子さんが登場した。記者と一緒に第3話の試写を見た森次さんは「当時よりきれい。特に空がいいね」と満足げだったが、ひし美さんは「これは……言っていいのかな。(映像が)つながってないところ見つけた」と美しく生まれ変わったリマスター版ならではの発見をして、報道陣を驚かせた。

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 今年で誕生45周年を迎える「ウルトラセブン」は、67~68年に放送された円谷プロの空想特撮シリーズ第3弾。宇宙からの侵略にさらされる地球を守るために戦うウルトラ警備隊とウルトラセブンの物語。SF色が強く、ヒーローが地球を守る形は踏襲しているが、宇宙人と地球人の共存といったテーマや、主人公のダンと、アンヌ隊員の恋愛が盛り込まれるなどドラマ性が高く、シリーズの中でも名作といわれている。

 記者向けの試写会では、第3話として放送された「湖のひみつ」が上映された。人気の怪獣・エレキングが登場する回でひし美さんは、メディカルセンターにいるアンヌ隊員の髪形が、画面の切り替わりで一瞬にして変わってしまっていることを発見。「最初に髪を結んで撮ったけれど、下ろした方がいいとなって、わざわざ髪形を直すシーンまで撮ってたのに、うまくつながってない!」と指摘し、森次さんは「全然気づかなかった」と目を丸くしていた。

 一方、森次さんは、第3話について「(撮影は)夏で、ぴったりとした素材の隊員服を着て、箱根の山が僕の運動場だった。遠い山の中だったからスチールカメラマンがあんまり来てくれなくて、写真が少ないんです。こんなところで1年やるのか、と思った」と振り返り、撮影の思い出については「すごく簡素な撮影所で撮っていたから、雪が降ると、セットの中なのに雪が吹き込んで積もってしまい、撮影が中止になった。夏は外の方が涼しいんです。そういうところで鍛えられた」と思い返していた。さらに「作戦室の自動ドアは、人間が2人で開けていた。自動じゃないから、タイミングが合わないと撮り直しなんです。あんまり話すと夢がなくなっちゃう……」と明かして、報道陣の笑いを誘った。

 その後、一般参加の試写会も開かれ、こちらは人気投票で1位となった第8話「狙われた街」を上映。集まったファンが、森次さんとひし美さんのトークショーを楽しみ、隊員用のヘルメットやセブンの巨大フィギュアなど、自慢のグッズを持って記念撮影に参加した。森次さんは幅広い世代のファンを見回して「子ども向けを意識せず、何しろいい特撮ドラマを撮ろうと思っていた。だから当時は視聴率が落ちたけれど再放送で見たファンが多くて、宇宙飛行士の古川聡さんもそうです」と胸を張ったが、「(ウルトラセブンの)看板を背負うのは大変だよ。悪いことをするとみんなに迷惑がかかる。これは僕が地球上に生きている限り背負うんだね……」とヒーローの苦悩も明かしていた。

 同プロジェクトは、WOWOWと円谷プロが共同で「ウルトラマン」シリーズの原点となった空想特撮シリーズ第1弾「ウルトラQ」の新シリーズ「ネオ・ウルトラQ」の制作と、「ウルトラマン」「ウルトラセブン」のハイビジョンリマスター版を放送する企画。「ウルトラセブン」のハイビジョンリマスター版(全48話)は、12月30日からWOWOWプライムで放送される。先行で第1話を12月1日午後2時半から無料放送する。(毎日新聞デジタル)

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