ジャン・レノさんがピンチのベテランシェフを演じ、若手シェフに振り回される姿が笑える映画「シェフ!~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~」(ダニエル・コーエン監督)が22日に公開された。美しい料理の数々が目に楽しく、お正月休みに見るのにふさわしいコミカルな一品。
ウナギノボリ
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天才的な腕を持つシェフなのにトラブルを起こしてはレストランをクビになるジャッキー・ボノ(ミカエル・ユーンさん)は、妊娠した婚約者のために安定した職業につくべく老人ホームの塗装の仕事を始める。あるとき、ホームの厨房(ちゅうぼう)に勝手に口出しするジャッキーだったが、たまたま料理が超高級三ツ星レストランのシェフ、アレクサンドル・ラガルド(レノさん)の口に入る。それはラガルドのスープを再現したものだった。ラガルドは新メニューが思いつかずにスランプに陥っていた。レストランのオーナーから「店の星が減ればクビ」といわれていたのだ。ジャッキーはラガルドに引き抜かれ、助手として働くようになる。だが、二人は衝突ばかり。そして、新メニュー開発のためにほぼ素人である老人ホームのシェフたちが集まった……という展開。
料理界を舞台にしているが、これは、普通の会社の話に置き換えられそうだ。やる気と才能はあるのだが、こだわりの強さから周囲とうまくやっていけない困った部下と、若いときのようなひらめきがなくなった上司の話。そんな2人が一つのプロジェクトに向かって、どう協力してやっていくのか。喜劇役者として舞台にも立っていたというコーエン監督は、人と人との衝突をコミカルに、そしてそこから何が生まれるのかを、重層的に描き出した。若いシェフ・ジャッキーにはベテランシェフと交際相手の彼女を、ラガルドにはジャッキーと娘という二つの視点を用意。三ツ星レストランの世界でありながら、誰もにあてはまるような親近感のある人間像を作り出した。レノさんのおかしな和装コスプレにも注目だ。22日から銀座テアトルシネマ(東京都中央区)、新宿シネマカリテ(東京都新宿区)ほか全国で順次公開。(キョーコ/毎日新聞デジタル)
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