香港映画「ブラッド・ウェポン」(ダンテ・ラム監督)が公開中だ。巨大犯罪組織がたくらむウイルステロを追う国際警察のジョン(ジェイ・チョウさん)。組織がテロ実行犯として選んだのは幼いころジョンと生き別れた実の兄のヨウ (ニコラス・ツェーさん)だった……。追跡と逃亡の果てに敵同士として出会い、銃口を向け合う兄と弟。アジアの2大スターが共演し、灼熱(しゃくねつ)のヨルダンからマレーシア市街を舞台にしたスペクタクルアクションという“おじさん”が好みそうな今作について、“おじさん”たちを観察し、味のあるイラストとともに解説した「おじさん図鑑」(小学館)の著者・なかむらるみさんがイラストとコメントを寄せた。(毎日新聞デジタル)
ウナギノボリ
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−−「ブラッド・ウェポン」を見られた感想を。
アクションシーンの迫力がとにかく圧倒的でした。息つく暇もなく、最後まで見終わってしまった感じです。アクション映画は、銃撃戦からの銃がなくなって接近戦へどうやって持ち込むかっていうのを見るのが結構好きなんですが、ひっくり返った車の中で戦うシーンとか見事でした。
あと、実は私はカンフー映画が好きなんですが、弟のジョンが路地で追いつめられて手近の布を引きちぎって構えるシーンが、大好きな「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱」(92年、ツイ・ハーク監督、ジェット・リーさん主演)のワンシーンに似ている気がして、テンションが上がりました。
−−今作のおじさんへのおすすめポイントは?
とにかく、スピード感があってありとあらゆるアクションが出てくるので、まったりしたお正月にちょっと飽きたおじさんへいい刺激になるんじゃないかと思います。硬派な兄弟愛も見どころなので、とくに男らしいおじさんに響くのではないでしょうか!
−−おじさんとの映画館でのエピソードを教えてください。思い当たるおじさんの映画館でのマナー、しぐさもあれば教えてください。
先日、ウッディ・アレンの「ミッドナイト・イン・パリ」を見に行きました。すてきなパリがたっぷり出てくる映画です。帰りのエレベーターでおじさんと乗り合わせたのですが、すごく気に入ったみたいで、「素晴らしかったなあ!」と興奮気味に隣の女性(たぶん奥さん)に話していました。奥さんはそこまででもないようで終始無言。エレベーターが開いて、奥さんが先に降りました。おじさんも降りるのかと思ったら手を添えて「お嬢さんどうぞ」と華麗なレディーファーストをキメました! 東京・大森のやや古びた映画館だったのですが、おじさんにはきっとパリに見えているんだなと思って、面白かったです。奥さんのさめている感じも夫婦らしくてよかったです。
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