注目映画紹介:「LOOPER ルーパー」 処刑人の前にやってきた30年後の自分の目的は?

「LOOPER ルーパー」の一場面 (c)2012 LOOPER DISTRIBUTION,LLC.ALL RIGHTS RESERVED
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「LOOPER ルーパー」の一場面 (c)2012 LOOPER DISTRIBUTION,LLC.ALL RIGHTS RESERVED

 いわずと知れた「ダイ・ハード」シリーズのブルース・ウィリスさんと、「ダークナイト ライジング」(12年)や「インセプション」(10年)に出演していたジョセフ・ゴードン・レビットさんが共演したアクション「LOOPER ルーパー」(ライアン・ジョンソン監督)が12日から全国で公開される。舞台は2074年の近未来。犯罪者組織は、邪魔者を消すためにタイムマシンを悪用、標的を30年前に転送しては、“ルーパー”と呼ばれる処刑人に始末させていた。そのルーパーの一人、ジョーの前に、あるとき1人の男が飛ばされてくる。実はその男こそ、30年後のジョー自身だった。

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 未来の自分がなんのためにやって来たのか。また、“レインメーカー”なる独裁者の正体が何者なのかが見どころ。ジョンソン監督は、今作の構想に10年を費やし、また、自身の監督デビュー作「BRICK ブリック」で主演したゴードン・レビットさんをジョー役に想定して脚本を書いていったという。

 その30年後のジョーを演じるのがウィリスさんだが、それにしても、この2人は似ていない。しかし、そんなことは今作においてはささいなことで、むしろ重要なのは、ストーリーラインの意外性だ。時空間移動を扱う物語において、現在の自分と未来の自分が対面するのは御法度だ。ところがそれを今作では堂々とやってのけるのだから恐れ入る。さらに、サスペンスやヒューマンな要素など盛りだくさんで、アクションだけだと思って見始めたため、物語の複雑さ、深遠さに驚いた。丸の内ルーブル(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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