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注目映画紹介:「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」 驚きの3D映像と余韻の残るラスト

映画
「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」の一場面 (C)2012 TWENTIETH CENTURY FOX FILM

 カナダ人作家ヤン・マーテルさんによる小説を、「ブロークバック・マウンテン」(05年)や「ラスト、コーション」(07年)などで知られるアン・リー監督が映像化した「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」が25日から全国公開された。3D上映(一部を除く)もされ、今年の米アカデミー賞では作品賞をはじめとする11部門にノミネートされている話題作だ。

 映画は、1人のカナダ人ライター(レイフ・スポールさん)が、小説のネタを求めてモントリオール在住のインド系カナダ人パイ・パテル(イルファン・カーンさん)の自宅を訪ねるところから始まる。すると、パイの口からは、16歳のパイ(スラージ・シャルマさん)は、乗っていた貨物船が沈没、ベンガルトラの“リチャード・パーカー”とともに救命ボートで約8カ月に及ぶ漂流生活の末、生還したという信じられない体験談が語られ始めたのだった……。

 映画の前半は、誕生から少年期までのパイの生い立ちや、両親のこと、父親が経営する動物園のことなどについて費やされ、おおむね平和でほほえましいエピソードが続く。ところが、一家がインドからカナダへの移住を決め、貨物船に乗りマニラを出航した途端、物語は暗転する。そこから先は、かろうじて助かったパイとリチャード・パーカーが、救命ボートで大海原を漂いながら生き延びる様子が、延々と描かれていく。

 そう書くと退屈しそうと思われそうだが、青色に輝く巨大クジラの出現や無数のトビウオの襲来といった“事件”がところどころで用意されており、その都度、映像マジックに驚かされる。また、ボートが水に揺れる感覚や、星がまたたく夜空の美しさは、3D上映によって一層際立つ。その一方で、サバイバルにとどまることなく、考えさせられるラストを用意し、リー監督いわく、「物語を伝えることの価値、物語を人と共有することの意味」についても説いている。どうやって調教したのだろうと感心するほどリアルなコンピューターグラフィックス(CG)で生み出されたリチャード・パーカーの描写が、この映画を他の作品より頭一つ優れた作品に押し上げている。25日からTOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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