注目映画紹介:「きいろいゾウ」 宮崎あおいと向井理が夫婦役 一見ファンタジックに見えて辛口

(C) 2013西加奈子・小学館/「きいろいゾウ」製作委員会
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(C) 2013西加奈子・小学館/「きいろいゾウ」製作委員会

 西加奈子さんの原作小説を、宮崎あおいさんと向井理さん主演で映画化した「きいろいゾウ」(廣木隆一監督)が2日に全国で公開された。もともと原作のファンだったという宮崎さんと向井さんが、結婚間もない夫婦を演じ、傷つけ合いながらも互いを見つめ合い、真の関係を築いていこうとする姿を描いている。

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 結婚し、東京から田舎に引っ越してきた無辜歩(むこ・あゆむ、向井さん)と妻利愛子(つまり・あいこ、宮崎さん)は、互いを「ムコさん」「ツマ」と呼び合い、つつましくも幸せな生活を送っていた。ところが、小説家のムコの元に、あるとき一通の手紙が届く。それをきっかけに、2人の関係に異変が生じ始める……という展開。

 田舎ののどかな風景の中、柔らかい空気をまとった宮崎さんと向井さんが夫婦役で出演、ということで、ふわふわしたメルヘンチックな作品を想像していたが、これが案外、辛口な作品だ。動物や植物にしゃべらせたり、原作者・西さん本人が描いたアニメーションが劇中流れるなどファンタジックな仕掛けを用いる一方で、心をヒリヒリさせるような“現実”を突きつけ、夫婦だからこそのラブストーリーがつづられていく。柄本明さん、松原智恵子さん、リリー・フランキーさん、緒川たまきさんらが共演。また、空想好きのツマにしか聞こえない動物や植物の声を大杉漣さん、柄本佑さん、安藤サクラさん、高良健吾さんが担当している。「ヴァイブレータ」(03年)や「余命1ケ月の花嫁」(09年)などで知られる廣木監督が映像化した。2日から新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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